+１５２+些細でいい ページ7
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きっと恭弥さんから見た私はとても不自由なのだろう。
自らを「可哀想な存在」にするのは嫌いだが…
それでも不幸すぎる事件の被害にあったのだと…思う
命からがら、雪に赤い足跡を作りながら、やっと手にした自由
でも行き着いた自由の先には私の居場所は…
私の戻りを待っていてくれるモノは何も無くて、誰もいなくて
怖くて寂しくて無縁の彼にしがみつくように生きた
体だけが自由になって心があの部屋に置き去りになったままだ。
未だに結束バンドにキツくキツく縛り付けられている。
でも、このまま縛られ続けたら赤い輪が、跡が残ってしまう
成長した体に、伸ばすことが出来ない結束バンドは容赦無く食い込んでいく
動けば動くほど痛くて、血が滲むの。
自分でも、窮屈で仕方がないと思っている。
『彼の重荷にならないように、自分の息苦しさを解消する為に
少しは変わらなくちゃいけないと思ってます。
そのために何をすればいいか、糸口はまだ見つかっていませんが…。』
情けなくて少し自嘲気味に笑えてしまった。
精神的な意味で自立したい
そう思うけれど、一体何が出来ていれば自立できたと言えるのか
彼に尽くしたい。
でもそれを自分の弱さのために利用したくない
これらを解決するための模範の行いが分からないのだ。
そんな、人の苦悩を読んで知りつつも隣の小さな存在は笑みを浮かべた
それに対して少しばかりムッとしたが、それでも尚、彼は笑みを深める
少し雑に「なんなんですか」と問えば笑みを湛えたままに口を開く
「元々お前に足らなかったのは変化なんじゃねーか？」
『変化……？』
「事件を切っ掛けに雲雀と出会ってから他との接触を避け続けた。
そんなお前が山本に引き込まれて、ツナたちと関わり始めて
雲雀恭弥という自分にとって絶対の存在以外にも目を向けるようになった
視野が広がった今だから、お前は自分の弱い所を見つめてる。」
『……。』
「キッカケっつーのはそんだけ些細でいいんだ。
まずは意識して生活してみろ。お前ならそれだけでも十分変われるはずだぞ」
『……簡単に言ってくれますよね、全く。』
少し無責任にも聞こえる彼の言葉だったが
これまでの「沢田綱吉の成長」という実績をもってすれば説得力を帯びた
…気持ちだけで変われれば苦労しない。
そう思う一方で、彼が言うのなら変われるんじゃないかとも思った。
「些細でいい」その言葉だけで少し視界が晴れたような気がした
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
