+１４６+望まぬ転機 ページ1
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未だに沢田くんと私の肉体に取り憑く六道骸の戦闘は続いており
私は私で会話のさなかも微差程度の妨害を続けている状態。
もう、ほとんど体の感覚を取り戻しつつあったが
自由に稼働させるには数歩及んでいなかった
それでも十分に効果はあったようだ。
激しさを増す攻防の中では微差であろうと流れを崩されるのは致命的。
それは恭弥さんとの「暇つぶし」を通して十二分に知っている。
事実、現に少しずつ沢田くんが優位に立っている。
【…この体は実に使いやすかったのですが…
持ち主の干渉があった状態ではそうもいきませんね。】
だから、欠片も嬉しくないって。…そう反論でもしてやろうかと思ったが
そのセリフを聴覚が受け取ったと同時に体に衝撃が走った。
それに伴ってぐらつく身体。
情景反射で受身を取ろうと脳内では考えているのだが
体の内から末端まで、自分の体全てが思うように動かなくなった。
最初の一瞬は何が起きたのかと思ったが
霞み始めた視界に沢田君が受け止める姿勢になっていたことから
彼の攻撃が決まったのだと確信する。
また外の様子が見れなくなるのは多少心配が残るが
まぁ、この男が
意識が全て持っていかれる直前
最後に見たのは沢田君の肩。
最後に聞こえたのは「ありがとう」という言葉だった。
その言葉を聞いた時、正直驚いた。
彼はこの中にまだ私が残っていることに気付いてたんだ…。
やっぱり「どことなく凄い」って感じだ。
表面上で凄い部分を見せていくと言うよりは突然頭角を現す感じ。
だから皆、君に惹かれるんだろうね。
再度暗転した視界と急速に感覚を失っていく体
一瞬見えた手術室のような部屋が赤く染まり
その床に転がるのは多くの大人たち。
あの空間は一体どこで、誰の視界なのか…
ほんの少し予測がつきながらも私はそれを見なかったことにした。
同情なんてしたくないし、してやらない。
でも私がこうして、受け止めたくないターニングポイントを経て
今のような、普通から離れた人間になったように
奴には奴の、変わらざるを得なかった転機…
ターニングポイントがあったという事だけは否定しないでおく。
それでもお前が大嫌いだけどね。
もう二度とそのムカつく笑みを見なくて済みますように。
いつの間にか響かなくなっていた、あの声の主に
聞こえるのか、聞こえないのかは分からないままに皮肉を唱えた
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
