+１１５+本物 ページ20
.
血濡れの彼が放った鋭い拳に
相手は吐血後低く唸ると膝から崩れ、そのまま膝を地につけた
「こ…このオレが負けただと…？」
男は冗談ではなく、本気で呆然としてる。
確かに、強い人間には強い雰囲気とか、そういうのがある。
そして、ほとんど見れていない私ですら男は強いと感じ取れた。
そんな男を最後は鋭い拳で落とすとは…。
…しかし、この男は誰だ？
確かに強い。強い、が…主犯の男じゃない。
「おい、A。どうした？」
考えていたら顔に出ていたのだろうか？
赤ん坊くんに声をかけられた。
どうかした訳では無いからどう答えていいか分からず
彼の「どうした？」という問いに「この男は誰ですか？」と問いで返してしまう
リ「コイツは主犯の男、六道骸だ」
答えを聞いて、多分一層眉間にシワが寄った。
違う。こいつは主犯ではない。
六道骸とやらがあの男の名で、コイツは名前すら騙っていた影か
はたまた、六道骸というこの男が表のリーダー
あのオッドアイの男は、裏で操る黒幕…なのか
…名前がどちらのものかは分からないし、どちらでも構わないが
主犯は確実にこの男ではない。
『…違う。』
「お前を六道骸が警戒するのも頷ける…」
リ「！」
沢「え！？」
私の否定と男が吐露した真実に
赤ん坊くんは反応し、沢田くんは驚愕した。
沢田くんらは事前に刑務所の写真付きで
首謀者『六道骸』知っていたはずで、それがこの男だったという。
そして、目の前の男は六道骸に全てを奪われ
果てには自分という存在すらも奪われ、今では表面上の六道骸となった。
…大切なものすらも、意識なくその手で摘み取った
自害すらも決意したのにそれも叶わない。
全てを、あの男にコントロールされていた。
…風貌は私と大した年齢差もない、あの男に。
リ「A、お前はなんでコイツが主犯じゃねぇと思ったんだ？」
赤ん坊くんの言葉に全員の視線はこちらに集中
私は端的に『あったからですよ。主犯と思しき奴に。』と答えた
先程まで六道骸だった男が
かなり過剰に反応しこちらを見てくるが、私は相手を一瞥するだけ
『貴方からしたら“ガキ”なんでしょうかね…
本物の六道骸と思われる人物は、私たちと大差ない年齢の青年です』
沢「え゛…嘘でしょ！？ほぼタメなの！？」
『えぇ。１つか２つしか変わらないと思います。』
場違いにも呑気に『背は高かったですね…』なんて呟いたら
沢田くんは分かりやすく驚いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 325人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
睡-ｽｲ-(プロフ) - ますしんさん» ますしん様コメントありがとうございます！そうなんですよね…昔はさほど気にならなかった辺、大人になったからこその損得勘定なのでしょう…大人になんてなるもんじゃないですね…←なるべく濃く書くことを意識するあまり直ぐ話がいっぱいになってしまいますが… (2020年2月6日 15時) (
レス) id: 3400204ee2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - 確かにその差にツッコミたくなりますよね。お気に入りするんなら評価もできるだろ！って…この作品、内容が濃くて読んでいて楽しいので更新速度低下は悲しいです…それでも見続けるので更新頑張ってください！！ (2020年2月6日 15時) (レス) id: 378183aadc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年1月25日 16時
