+１０７+化かされる ページ12
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「並盛中学１年A組出席番号１２番…巳國A。」
スッと耳に入る鋭い声の恭弥さんとは違って
柔らかく、耳につけ入るようなしっとりした声が名前を呼んだ
「クフフフ…ランキングに紛れた“女性”というのは
一体どんな人間かと思えば、また随分と面白い人ですね。」
少し、反応が遅かっただろうか。
奴の言葉をちゃんと聞いてから仕掛けることになってしまった
振り向きざまにタクティカルペンを手の中で滑らせ、しっかりと握る
そのままの勢いで首元…急所を的確に狙う。
「ランキング」という言葉が出た時点で確定する
こいつは「主犯」そのものだ
壁を削り取り、パラパラと小さな破片が足元に零れ落ちる。
一発で仕留めておきたかったところが、しくじった
首を突き立てるつもりだった一撃は確かに男に入った
はずだった
だが、男動いてもいないのに、反対側の壁にもたれかかって立っていた
足を、動かしていないのに移動する
そんなこと不可能だ、しかし現にそのような現状。
まるでキツネにつままれたよう
少しだけ目を見開くと男は楽しげに私の様子を見ていた。
なめられたり、感情を読まれるのはよくないから
戦闘においてはなるべく表情は崩さないよう、いつも以上に気を付けている
でも、これに関しては…
「クッフフフ…驚きましたか？無理もない。
本来なら貴女は知る事も、見る事も無かったはずのモノ
表情を崩すのも致し方ないことですよ」
細く口元も目元も緩めて柔らかく笑んだ。
それに込められたのは母から子への愛や友人に対する思慕ではなく
未知のものに驚き、反応する私への嘲りだった。
相手の表情へ苛立ちつつ冷静に問う
『…キミが今回の主犯で間違いないんですね』
「えぇ、彼を僕の所へ手引きしたのは貴女でしたね
貴女の知り得る情報は限りなく少なく、欠落が多かったはず…。」
「実に見事でした。」なんて言いながらほくそ笑む男
余裕綽々薄ら笑いを浮かべるその顔が、とてつもなくムカついた
大きく一歩踏み込む
そのムカつく笑みを浮かべた整った顔目掛け
回し蹴りを繰り出すが今度は避けるのではなく足をつかまれる
やっぱり、コイツなかなかに強い
私も本気で潰しにかかったわけではないけれど
恭弥さん以外で私の体術を避けるのではなく、止められたのは初めてだ
ゾクゾクッと、どういう感覚なのか
形容する言葉が見つからないが何かが背を駆け抜けた
久しぶりに勝てるか分からない
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睡-ｽｲ-(プロフ) - ますしんさん» ますしん様コメントありがとうございます！そうなんですよね…昔はさほど気にならなかった辺、大人になったからこその損得勘定なのでしょう…大人になんてなるもんじゃないですね…←なるべく濃く書くことを意識するあまり直ぐ話がいっぱいになってしまいますが… (2020年2月6日 15時) (
レス) id: 3400204ee2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - 確かにその差にツッコミたくなりますよね。お気に入りするんなら評価もできるだろ！って…この作品、内容が濃くて読んでいて楽しいので更新速度低下は悲しいです…それでも見続けるので更新頑張ってください！！ (2020年2月6日 15時) (レス) id: 378183aadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年1月25日 16時
