【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ46)

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+９３+意地悪ページ46

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ドーンドーン、と忙しなく轟音を響かせながら
光り輝く花火は眩しくて仕方がない

その色とりどりの光は少し離れた先で空を見上げる
先程の３人に笹川さんらを加えた
私の中での「いつもの面々」の楽しげな表情を照らしている

「あっ、Aちゃん！」

年明けにも聞いたような呼び掛けを今回は別の人物…笹川さんが口にした
年明けに呼び掛けてきたのは確か…三浦さんでしたね。

先程まで居なかったから私が拝殿の裏側に居たのを知らなかった為か
少し驚いたように元々大きな瞳を少し見開いていた。

しかし、この轟音の最中じゃ
私じゃなきゃ、あの距離から彼女の可愛らしい声は届かなそう

なんとか拾い上げた言葉を返すため少し近付いてから
『こんばんは』と、伝える。

笹「Aちゃんの浴衣綺麗だね！」

ハ「Aちゃんは…一人でロンリーなんですか？」

『ろ、？…浴衣は借り物です。
　お二人も、浴衣とてもよく似合ってらっしゃいますよ』

事実この２人元も良ければ、今の浴衣姿はとても可愛らしい
沢田くんは本当によくおモテになるようだ。

しかし三浦さんの次の
「Aちゃんも一緒に見ていきませんか？」
という言葉に笹川さんと山本くんが賛同してしまう。

しまいには笹川さんは横をあけ
山本くんはご丁寧に、しゃがみ易いように手を掴んで支えて下さる。

…山本くん、もう恭弥さんのこと忘れてらっしゃいます？

覚えていそうな沢田くんに視線を移せば慌てた様子で待ったをかけてくれる。
今この時ばかりは彼のお人好しに頼ろう。

沢「ちょ、２人とも待って！巳國さん待ってる人いるから！」

沢田くんが止めに入ってくれたおかげで
「そうだったんだ、ごめんね」と笹川さんが謝った。

少しコチラが申し訳なくなり
『いえ、お誘い頂いたのにすみません』とコチラも謝ってしまう。

山本くんも頭から抜けていた恭弥さんのことを思い出して
「そいやそうだったな、わりっ！」といつもの明るい雰囲気で謝罪

年明け以降、山本くんのグイグイ来る感じが悪化したが
私も山本くんに対して容赦、というか敬遠することが減っている

そのため
『貴方は恭弥さんに会っておいて忘れてらっしゃいますよね』
と、少し意地悪なことを口にしてみる。

ま、予想通り
ははっ、と笑顔を浮かべたまま気にする素振りもなかったが

沢田くんにお礼を言って、階段を下ると群衆も立ち止まって空を仰ぐ

動かぬ人混みを潜り抜け、目指すのは彼が待つ入口の門柱