【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ44)

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+９１+お人好しページ44

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ランボくんの顔を拭き終わり、体に付いた煤を軽く払い終えると
イーピンちゃんも同様に、今出来る程度で綺麗にする。

可愛らしくお辞儀をして「謝謝」と言ってくれたので
『不客气(ブークーチ)』と、「どういたしまして」という言葉を返した

私との会話が終わると再び先程まで見ていた方…
恭弥さんを見つめ始める

家族のような沢田くん、好きな人である恭弥さん
２人の様子が気になるのと、心配なので困っているんだろう

イーピンちゃんが見つめていた先を今一度私も見つめる。
すると恭弥さんも彼女の視線に気づいてか、彼女を見つめていた。

何を思ったのか、恭弥さんはふっと笑った。
その柔らかさに私は中途半端に開いた口が塞がらなかった。

この人が外でこんな顔をするのは初めて見た。

珍しい彼の姿をボーッと眺めていると
恭弥さんは踵を返しつつ「貸しにしておいてあげるよ」と一言。

全く、なんて自由な人なんだ

そんな恭弥さんは、鳥居の前で少し立ち止まり顔だけをこちらに向けた

雲「なにしてるの、行くよ」

どうやら私を待ってくださったようだったがスグには追えない

今、私の格好はだいぶ着崩れていて
動き回っていたから大丈夫だったものの丈は地に着きそう

見栄えなど、浴衣を着た私に対する他者からの印象はどうでもいいが
この場で粗方着直さなくては神社を抜ける前に誰かに踏まれてしまう

そんなことになれば本末転倒。
何のために服装を気にしつつ戦ったのか？という話になってしまう

『少し服装を正しますので先に戻って下さい。』

そう伝えれば私の背後、どこに視線をやったのかは分からないが
一瞬視線が外れると「門柱の辺にいるから早くしなよ」と
間接的に提案を棄却され、そのまま階段を降りて行かれる

…早くと言うくらいなら先に帰ればよろしいのに。
まぁ、恭弥さんがそれで構わないなら私別にどちらでも良いのだが

立ち去った恭弥さんをひとしきり眺め、その背が見えなくなった頃
「巳國さん！」と私の名前を呼びながら駆け寄る沢田くん

『はい、どうかしましたか？』

振り向きながら応えれば「ごめん！」と凄い勢いで頭を下げられた
一体何に対して謝られているのか見当も付かず、首を傾げてしまう

沢「俺、男の癖に巳國さんが髪掴み上げられてんのに
　全然動けなくて…情けないし、本当に、本当にごめんッ！」

当の本人も事が済んだら忘れてたことを…
全く、この人はどこまでお人好しなんでしょう？