【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ31)

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+７８+殴ってページ31

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表情の変化など、浅すぎて気付かれるほどのものではない

そう、彼の言葉を否定するつもりだった。
しかし先程の私がしたのと同じように私が口を開く前に彼が口を開く

内心「さっきの仕返しか」とも思ったが、仮にそれでも致し方ないと
諦めた私は半端に開きかけた口をつぐんで彼の言葉に耳を傾けた

「それにさ、お前あんなに強いんだから
本当に嫌だったらさっきのアレとかでぶん殴って突き放せたろ？

しかも、雲雀は群れを嫌うんだから
巳國が本当に嫌がってたんなら、お前ならそうしたんじゃねぇの？」

そう言いながら山本君は私の頬に添えた手を離し
利き手で私の上着のポケットを指さした。

差された方のポケットは右。私の利き手側。
そこには彼が言う「アレ」つまり数刻前に使った警棒が入っている

…そう言われてしまえば私はどう反論したらいいんだろう
いや、反論することがないわけじゃない

私は基本的に私欲で行動する気はない。

武力行使という形で矯正するのは並盛の治安に悪影響を及ぼすもの
つまり、恭弥さんに仇なす存在に限定している。

でも。

彼の言う通り群れようとするならそれに該当する？
判別は付けずらいが…そういう手段も取れた、というのは正しい。

ハクハクと餌を求める魚のように空気しか出ないまま
口を小さく開けては閉じて、開けては閉じてを数度繰り返す。

なにか、なにか口から紡ごうと
反論しなくてはと義務感のような何かによって動かされている

しかし、気持ちだけあっても肝心の言葉が見つからず
キュッと唇で唇を噛むように閉じるほかない

対して私をこうも動揺させてくれた彼は
私の様子に少し呆れたように短く息を吐き出しながら肩を竦めた

「ま、とりあえずさ。俺としては巳國も仲良くしてぇんだ。
それはきっと、俺だけじゃなくて多分アイツら皆そう思ってる。

だから、そうだなぁ…

ぶん殴られるまでは
余計だとしてもガンガン声掛けていく。

…ってことで！じゃな！」

『え？あっ、ちょ…山本くん！！』

言いたいことは言い切った、とでも言うように
彼は数刻前のディーノさんと比べたら乱雑に私の頭を撫でると
彼はそのまま脱兎のごとく、中々の速度で逃げ出した。

彼の名前を呼んだ時、いつもより大きな声が出た。

彼の名前を呼ぶだけでそんな声が出るのなら、その声量で叫べばいい

「頼んでいない、放っておいてくれ」と
ドラマや本など創作物のようにヒステリックに怒声を上げるように。