13.熱海旅行 ページ13
あれから2週間と少しがたち、
早いもので今月の終わり。
今日は待ちに待った(?)、社員旅行。
ただいま絶賛バスに揺られ中。
ちなみにお隣は指名によりうさまる先輩。
理由は" 気を遣わなくていいから " だ。
A「先輩は行ったことあるんですか? 熱海。」
鬱「あー、まあ昔ね。もう覚えてねぇけど」
A「へー……」
鬱「………何?」
A「あぁいや、熱海似合わないなあーっと思いまして。」
鬱「Aちゃんって言葉に一々トゲあるよね。」
率直な感想を述べると、先輩が少し呆れた顔をした。
嫌味をそっと聞き流し、窓の外に目を向けると、まだ少し遠い海が木の隙間から見えた。
A「わあ、海だ。」
鬱「お、ホンマに?ちょいちょい。」
窓側の私に向かって身を乗り出しつつ、退けろと手を払う先輩。
A「( いや、ここバスだし退ける場所ないですって。)」
鬱「うおーーー!!すげぇ!!」
そんなことお構い無しに、先輩はずいっと私の横の窓に顔を近づける。
同時に私の目の前にも先輩の顔……、っというか体全身が近い!重い!
A「先輩、早くどけてください…っ」
身体をバスの座席にめり込ませる勢いで退けつづける。
く、苦しい。
鬱「おお、すまねぇ。」
A「……いえ…お構いなく……」
ふっと私の目の前から先輩が消え、身体の力を抜く。
…意外と無邪気な人なんだな、と苦しみつつ盗み見た横顔を思い浮かべる。
A「ところで、さっきから熱心に何見てるんですか?」
鬱「ん? ガイドブック。」
A「はあ、成程。」
…ガイドブックなんて頭にも無かった。
うさまる先輩の方が私より女子してる気がする。
マカロン作れるし、
なによりうさまる好きだし。
ていうか、家で弟にイライラしすぎて、熱海の回るところ全然決めてなかったなあ…。
鬱「一緒にまわる?」
A「………、え!?」
鬱「うわっ、びっくりしたぁ……。やめてや、俺驚かし弱いんやから」
いや、そんな所も女子かよ。
…じゃなくて!!
A「もしかして、エスパーですか?」
鬱「え? いや、今自分『回るところ決めてなかったなあ…』って声に出てたで。」
……マジですか。
鬱「俺も甘いもんは食べたいねんけど、1人じゃ何個も食べきられへんなあと思ってたし、行こうぜ」
A「は、はあ。」
鬱「よし、決まりな!」
……先輩、私、甘いの苦手ですよ。
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月夜(プロフ) - 是非是非更新してください〜!!!! (12月2日 10時) (レス) @page20 id: dce85de801 (このIDを非表示/違反報告)
𓆛 - 見つけた時には既に更新停止になっていて、続きを読むのを諦めながらも、お気に入りにしていつか更新される事を願ってました! 作者様のご負担にならなければ是非更新再開して頂けると嬉しいです。 戻ってきて下さりありがとうございます、おかえりなさい(*_ _))*゜ (11月24日 17時) (レス) @page20 id: 9e680aee3d (このIDを非表示/違反報告)
かんづめ - すっごい好きです!できれば続きみたいです、無理にとは言いませんので! (2020年6月30日 22時) (レス) id: c082722a5b (このIDを非表示/違反報告)
るなお(プロフ) - 全てが好きなので続き読みたいです…!更新お待ちしております、! (2020年6月30日 22時) (レス) id: 6effbfd928 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ - もう全体が好きすぎます!できたら続き書いてください!めっちゃ気になります! (2020年6月30日 20時) (レス) id: a52e442f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:相生葵 | 作成日時:2017年3月1日 8時