9話 ページ10
幹部への顔見せと自己紹介も終わり、そろそろ夕食の時間に差し掛かってきた。ヴァリアー幹部のご飯は全てルッスーリアが作っている。命を狙う者が五万といる暗殺部隊の幹部だ。雇ったシェフが毒を盛らないとも限らない。
『私は手伝わない方がよろしいでしょうか。』
名前はルッスーリアが食事を作っていると聞いただけで、信用のない自分は敢えて手伝わない方がいいかもしれないと察した。この事でスクアーロとマーモンは、名前のことを頭の切れるやつだと感じたようだ。
「そうね〜…今日のところは大丈夫よぉ〜!」
ルッスーリアもそれが分かっているから、邪険にする風でもなくシンプルに断った。
しかしそんな事情とは別に、名前としては何もしていないことがとても居心地悪かった。
『何か私にやれることはありませんか?』
観念して名前はベルにそう問いかけた。ベルは少し考えて「マーモンと遊んでろよ」と笑った。それは果たして仕事なのか、いささか不審に思ったがベルが言うのなら従うまでだ。名前は随分軽くなった足取りでマーモンへ近づいた。
「ム?ベルからこっちへ来るよう言われたのかい?」
名前はこくりと頷く。それを見てマーモンは自分のいたソファにスペースを空けた。
「………何してるの?座りなよ。」
『座っていいのですか?』
名前のメッセージにマーモンは驚く。しかしそれより驚いたのは、名前が信じられないとでも言いたげな目でそのメッセージを寄越してきた事だった。
「当然じゃないか…。いくらぼく達が暗殺者でも、君みたいな少女に座るなって言うほど鬼じゃないよ。」
そう言われても名前はまだ、どうにも信じがたかった。
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夢(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2022年6月14日 8時) (レス) id: 6425fa7392 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - こちらこそ、親切に教えてくださってありがとうございます!! (2022年4月16日 0時) (レス) id: 069036dd65 (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» わざわざ数ある中から探していただいて、ありがとうございます…! (2022年4月16日 0時) (レス) @page2 id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 了解致しました!先程フォローさせていただきました!よろしくお願い致します(*´`)♡ (2022年4月14日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» 作品名も一緒にユーザー名に書いてありますので、かなり分かりやすいかと思います…! (2022年4月14日 1時) (レス) id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:巫女月 | 作成日時:2020年12月23日 2時