42話 ページ43
時刻はもうそろそろ5時になろうとしている。普段ならこの時間はまだ寝ているだろうから、せいぜい消し炭にされないように気をつけなきゃと思いながら、マーモンはXANXUSの部屋まで来た。
「ボス、起きてる?入ってもいい?」
「…なんだ。」
とりあえずXANXUSが起きていたことに一安心。マーモンは小さな手でドアノブを掴み中へ入った。
「名前の持ってるあのライフル…ボスがあげたものだよね?」
「だったらどうした。」
「…幻術を使った跡があった。」
XANXUSの眉がピクリと吊り上がる。マーモンは、ルッスーリアから聞いた内容をそのままXANXUSに伝えた。
「内部のスロット部分に、何かを詰めたような形跡があったんだ。名前には幻術の耐性がないし、ちょっとした隙にやられたんだろうね。」
とはいえ精度は高くなく、一流術士のマーモンには簡単に見破られた。今日の任務で名前がライフルを使えなかったのは、それが原因だった。
「………ヴァリアーにそんなくだらねぇことをしでかすカスが、まだ残っていたとはな。」
「どうする?ボス。」
「ベルに言っとけ。好きにしろ、と。」
「………Si,ボス。」
マーモンは談話室に戻るまでの道のりで、これから血祭りにあげられるだろう首謀者のことを密かに哀れんでいた。
「____ってことだよ。ボスが、ベルの好きなようにやっていいって。」
「ししっ…さっすがボス。分かってんじゃん。」
戻ってきたマーモンから全てを聞いたベルは、見えない目をギラつかせて、そう笑った。
「おいマーモン、術の痕跡から術士割り出せんだろ?」
「ふんっ、ぼくを誰だと思ってるの?そんなこと朝飯前だね。…今回は名前に免じて、格安でやってあげるよ。」
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夢(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2022年6月14日 8時) (レス) id: 6425fa7392 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - こちらこそ、親切に教えてくださってありがとうございます!! (2022年4月16日 0時) (レス) id: 069036dd65 (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» わざわざ数ある中から探していただいて、ありがとうございます…! (2022年4月16日 0時) (レス) @page2 id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 了解致しました!先程フォローさせていただきました!よろしくお願い致します(*´`)♡ (2022年4月14日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» 作品名も一緒にユーザー名に書いてありますので、かなり分かりやすいかと思います…! (2022年4月14日 1時) (レス) id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:巫女月 | 作成日時:2020年12月23日 2時