16話 ページ17
15分の休憩、もとい得物の調整時間を挟む。実技戦闘試験に臨むには、暗殺者の要である得物の調子が大きく関係してくるからだ。そのような説明をレヴィから受けた名前だったが、彼女はそれを聞いて表情を曇らせた。
「ぬ？なにか質問があるなら遠慮せず聞け。後々『知りませんでした』では済まん。」
レヴィにそう言われて、一瞬迷った末に名前はこう紙に書いた。
『私は武器を所持しておりません。武術もスクアーロ様に太刀打ちできるレベルではありません。』
つまり、名前は戦闘試験の準備が全く整っていないのだ。丸腰そのものである。これにはレヴィも言葉を失った。そして、大急ぎでスクアーロの待つ戦闘試験の会場…訓練場まで名前を連れ移動した。
乱雑にレヴィがドアを開け放つ。中にスクアーロの長い銀髪が揺れて見えた。
「う"ぉぉぉい！随分早ぇじゃねえか！…って、テメェはなに手ェ出してんだぁ"ぁ"！！！！」
レヴィと名前では急いでも歩幅が違う。そのためレヴィは名前を俵のように抱えて走ってきたのだ。それを見てスクアーロが何やら勘違いをしている。
「ま、待てスクアーロ！話を聞け！」
「言い訳なんざ聞く気はねぇ"！！」
その後スクアーロの誤解をとくのに20分を費やし、ようやく本題に移ることができた。レヴィは疲れ果てた顔をしながら、採点のため離席すると言って戻っていった。
「ったくよぉ"…。そういう大事なことは早く言え。」
スクアーロが武器庫へと向かいながら悪態をつく。けれど同時に謝ってもいた。気づかなかったのは担当である自分の落ち度だと。
『いえ、私の確認不足でスクアーロ様のせいではありません。』
「…そうかぁ"。」
名前の自分を卑下する性格を考えれば、ここで反論しても堂々巡りになるだけだと、聡いスクアーロには分かった。
そうこうしているうちにスクアーロが足を止めた。目の前には、他の部屋よりも頑丈そうな扉がついた部屋。
「この中から好きなものを選んで使えぇ"！！」
スクアーロが頑丈かつ重そうな扉を軽々と開けると、そこには所狭しと大量の武器が収められていた。まさに「武器庫」と呼ぶにふさわしい眺めだ。
「持ってみたり振ってみたり、好きに試してみろ。合う合わないはテメェが決めることだからなぁ"。」
そう言われて名前は手近な場所にあった長剣を持ってみた。しかし、あまりの重量に持ち上がらない。名前は、確かにこれは吟味しないと身を滅ぼすと感じた。
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夢(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2022年6月14日 8時) (
レス) id: 6425fa7392 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - こちらこそ、親切に教えてくださってありがとうございます!! (2022年4月16日 0時) (レス) id: 069036dd65 (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» わざわざ数ある中から探していただいて、ありがとうございます…！ (2022年4月16日 0時) (レス) @page2 id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 了解致しました！先程フォローさせていただきました！よろしくお願い致します(*´`)♡ (2022年4月14日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» 作品名も一緒にユーザー名に書いてありますので、かなり分かりやすいかと思います…！ (2022年4月14日 1時) (レス) id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巫女月 | 作成日時：2020年12月23日 2時
