Vanilla (ページ26)

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色々と食べ終わっておなかいっぱいになった頃。

｢もうすぐ花火だよ｣

と先輩が言った。

そうか、もうそんな時間か、

花火が上がる前に

｢樹先輩、少しいいですか？｣

勇気を出させてください。

｢ん？｣

｢私、好きな人がいるんです。だから、その、｣

｢俺とはもういれないってこと？｣

言ってる途中に遮ってきた樹先輩の言葉。

私はすぐに返事をしなきゃ行けないのに、

"もういれないです"

そう言わなきゃ行けないはずなのに。

｢なんで泣いてんだよ、わかんねぇじゃん、｣

また涙が頬を伝っていた。

｢ごめんなさい、わかんなくて…自分でも…っちゃんと、っ言わなきゃなって…思ってるのに…っ｣

手で涙を拭いながらちゃんと樹先輩に気持ちを伝える。

｢ゆっくりでいいから、ね？｣

私の手を握りながら優しく言う先輩の姿に私の涙は止まることを知らなかった。

｢なんで…っそんなに優しくしてくれるんですか…｣

1番の疑問だった。

なんで先輩は私に優しくするの。

いちばん関わりたくなかった人なのに。

なんでよ、

｢それは…お前のことが好き、だから、｣

え？

｢でも、！樹先輩には彼女さんが…っ！｣

｢え？俺居ないよ？｣

え？さっきの電話の人は？

｢だってさっき電話で、｣

そう言うと樹先輩は笑った。

｢ふはっ、俺妹いるんだよね、5歳の、まじかあいいんだよね、笑｣

え？

じゃあ私の勘違い、？

｢てことで俺彼女いないから、好きなのは、お前、だけだから。｣

あー、言っちゃったよ、くそっ

と天を見上げる樹先輩。

｢んで、俺の気持ち伝わった？｣

とまた下から覗いてくる樹先輩。

｢…気づかなくてごめんなさい、でも、｣

｢でも？｣

｢私には好きな人がいて、だから、樹先輩とはもうこれで終わりです、もう関わらないでください、ごめんなさい、今までありがとうございました…っ！？｣

私の目の前は樹先輩の匂いでいっぱいになった。

後ろに手を伸ばされて。

｢じゃあなんで泣いてるの？そんなに関わりたくなかった人と別れるのが寂しい？俺の事、ほんとに嫌い、？｣

と耳元で囁かれた。

私は、、

｢…っほんとは…っ｣

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