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14話 ページ15
でも、一夜を過ごしてしまったらこの沼から抜け出せるはずがなかった
最初から分かりきってた事なのに
いや、分かっていたからこそ自分に言い訳していたのかもしれない
"一夜だけ"
その言葉が私を支配して
その"一夜"は何度も続いた
寂しい時に、温もりが欲しい時に呼び出せば必ず来てくれる貴方を利用していたんだ
元太
私は貴方の下の名前しか知らない
フルネームも、年齢も、職業も、何も知らない
それでも貴方が帰った後のベッドに潜ると貴方の香りが残っていて、バニラに酔いそうだと笑う君に恋をした
ああ、私は元太の事が好きなんだって気付いた時にはもう遅かった
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作者名：あやんちゅ | 作成日時：2021年1月27日 22時
