# 昔の話 ページ6
.(レトルトside)
フ「Aって変わったね」
まだちょっぴり寒い日の、真夜中。
ほとんど呂律が回っていないフジが、懐かしそうに呟く。
『そう？歳取っただけやと思うけど』
キ「良い意味で変わったよ、最初マジで嫌いだったもんAのこと」
牛「うっそ、最初からベタ甘だと思ってた」
キ「それはうっしーじゃん。俺は隙あらば物理的にも社会的にも仮面を剥いでやろうとしてたから(笑)」
『ぎゃー怖い最低！(笑)』
__Aとの、"最初"。それは、数年前のイベントの日のことだろうか。
Aを挟んでワイワイ騒ぐキヨとうっしーを見つめていると、俺の隣に座ったガッチさんが俺の顔を覗き込む。
ガ「レトさんはさ、覚えてる？」
「…勿論、覚えてるよ」
だってあの日、俺がAに___
________________________________________
牛「__ねえ、レトルトは会ったことある？」
「あぁ、Aさん？会ったことないよ」
牛「だよなぁ…」
はぁ、とため息を吐きながら今日のイベントの台本を捲るうっしーが、他の演者をぐるりと見渡す。目当ての人がいないとわかると、わかりやすく頭を抱えた。
牛「出演者と初対面のMCって何だよ…」
ガ「まーまー、しょうがないんじゃね？ここにいる人のほとんどが会ったことないじゃん、Aさんと」
たまたま横を通ったガッチさんの言葉に、うっしーと2人で確かに、と頷く。そもそも顔出しはおろか、もはや存在するのかと言われたレベルで世間に姿を見せなかったAさんと会ったことあるやつなんて、逆にこのイベントメンバーに居るんだろうか。
フ「__ねえ、そろそろ来るみたいだよ」
フジが、こっそり俺とうっしーに耳打ちする。入り口の方を見ると、むさ苦しいおっさん達と似ても似つかない、セーラー服に白いマスクをした小柄な女の子が居た。
「……ちっちゃ」
フ「ね、潰しちゃいそうなくらいちっちゃいよね」
牛「…あ、こっち来た」
真っ暗で長い髪を靡かせて、彼女は此方に向かってくる。切長の瞳が俺達を捉えた瞬間、咄嗟に声を掛けた。
「…Aさん、だよね？レトルトって言います、今日はよろしくね」
『………宜しくお願いします』
俺達を睨むように見た彼女は一言、そっけなく返事をすると、荷物の中から取り出したホッケーマスクを顔に被せた。
……俺たちの出会いは、正直最悪だった。
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もか(プロフ) - 更新楽しみにしてました！ありがとうございますm(_ _)m (2021年4月28日 8時) (
レス) id: f8135edeab (このIDを非表示/違反報告)
みんと - 尊死……夢主ちゃんとみんなの出会いのお話めちゃくちゃに刺さりました…！！尊すぎてしんどいです(；▽；) (2021年3月14日 0時) (レス) id: 9b2c0e9200 (このIDを非表示/違反報告)
アピス(プロフ) - やとさん» やとさん、前回に続きコメントありがとうございます！！ゲロ甘を意識して書かせていただいておりますので、そう言って頂けて嬉しいです…相変わらずマイペース更新ですが宜しくお願い致します。 (2021年3月12日 22時) (レス) id: 7d62638449 (このIDを非表示/違反報告)
やと(プロフ) - 続編おめでとうございます、ハニーマスタードに続きこちらのオーロラソースの更新もめちゃめちゃ楽しみにしてます！！！夢主ちゃんに男性陣がみんな優しくてほっこりします………(T_T)（笑） (2021年3月12日 21時) (レス) id: b0fb75ed70 (このIDを非表示/違反報告)
アピス(プロフ) - みんとさん» みんとさん、またまたコメントありがとうございます！もちろん、rtさんのお話も複数仕込み中ですので…またまた楽しみにしていただけたらなと思います！いつもご愛読ありがとうございます^_^ (2021年3月12日 11時) (レス) id: 7d62638449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アピス | 作成日時：2021年3月12日 11時
