精霊達の愛し子【番外編】

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［イデアside］

あー嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
なんで拙者が？こういうのは陽キャのイベントでは？
レイラ氏に名前を呼ばれ、選ばれたのは嬉しいけど…

ていうか

ｲﾃﾞｱ「なんか画面の外ではしゃぎ声がするけど…たかが“願い星”に大袈裟すぎでしょ。人間の体温とか、微弱な魔力に反応して光るだけって言われてるのに…(ﾎﾞｿｯ)」

ｵﾙﾄ「兄さん？何か言った？」

ｲﾃﾞｱ「べ、べつに！なんでもない！」

(「オルトは何故だか毎年“星送り”を楽しみにしているし、余計なことを言うのも可哀想か…」)

ﾚｲﾗ「イーデアせーんぱいっ♪」

「！？！？！？」

ｵﾙﾄ「あっ！レイラ・リガルディーさん！」

ﾚｲﾗ「オルトくん、レイラでいいんですよ？」

こてん。と首を傾げてオルトにそう伝えるのは先程拙者を“スターゲイザー”に選んだレイラ氏

「レ、レイラ氏…あっちの1年生組の所に居たのでは？」

ﾚｲﾗ「イデア先輩が縮こまってしまってるかなぁと思いまして…私が選んだ、というのは微妙ですが人前に出るのが嫌な先輩には酷な行事で指名をしてしまったかなと思い…」

そう言うレイラ氏が、どんどんしょんぼりしていくのを見て罪悪感が募る

「レイラ氏は悪くないよ。でも拙者に出来るとは思えないよ…」

ｵﾙﾄ「兄さん…」

オルトには悪いけど、人前に出るのは嫌なんだ

ﾚｲﾗ「微力ながら、私も手伝うので頑張りましょう？ひとまず、私の“願い星”を受け取って頂けませんか？」

だからやっぱり無理…え？

「え？拙者でいいの？」

ナイトレイブンカレッジ唯一の女子生徒で高嶺の花で全生徒の憧れのマドンナ(イデア調べ)であるレイラ氏の“願い星”を拙者が貰うの！？え！？大丈夫！？

拙者、明日の朝日は拝めないのでは…(遠い目)

ﾚｲﾗ「ほら！何事にもはじめの一歩が必要でしょう？その第一歩、です(ﾆｺｯ)」

…あぁ、本当に君は太陽のようだね
その蜂蜜のように優しく甘い笑顔に、どれだけ拙者が救われているか知らないだろう
現に今も固まった心が溶かされていく気がする

「…拙者で良ければ、勿論受け取るよ」

ﾚｲﾗ「もうっ私はイデア先輩“が”いいんです！

私の願いは…

『私の大切な皆が、健やかで笑顔が溢れる人生を歩めますように』」

ｷﾗｷﾗｷﾗ)

…なんっていい子なんだ！？
オルト並みにいい子過ぎないか！？(号泣)

“願い星”が光った事で更に笑顔を見せる彼女に、少しばかりこのくだらない行事も悪くないなと思えた

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