ページ ページ10
お母さん「珍しいわね。Aが病院まで来るなんて」
A「仕事中なのにごめんお母さん……。でもどうしても聞いてほしいことがあって……」
お母さん「丁度休憩時間だったから大丈夫よ？それよりどうしたの？」
ここはお母さんが働く病院。
突然押しかけて、お母さんを呼んでもらったのだ。
どうしても聞いてほしいことがあったから。
それはもちろん……。
A「あ、あのね、お母さん……。
好きって、どういうこと……なのかな……？
確かに私はその人の事が好きなんだけど、それがどういう好きかわからないっていうか、私、何言ってんのかわかんないよね……」
お母さん「ふふ……。
好き、か……。
ちょっと難しいわねえ。
でもね、その答えはAがもうすでに知ってるはずよ？
その好きが、どういう好きか。
それはあなたにしかわからない。
でも、あなたはもう知っているはずよ」
A「私は、もう知ってる……？」
お母さん「目を閉じて考えてみて？
その人と一緒にいると、楽しい？幸せ？
もっと一緒にいたい？」
A「うん……。楽しいし、幸せだし、もっと、ずっと、一緒にいたい……」
お母さん「そっか。じゃあ大丈夫ね」
A「え？な、何が？」
お母さん「ふふ、まだわかんないなら、私がその人のこと横取りしちゃおっかな。
お父さんより素敵な人だし」
A「だ、駄目！！絶対駄目！！」
お母さん「うふふ、ほら。ね？」
ほらねって言われても……。
でも、お母さんに横取りされちゃうかもって思ったその時、すごく焦った。
胸が苦しくなった。
今も、彼の顔を思い出すだけで、ぎゅーっと胸が締め付けられる。
逢いたい、なぁ……。
お母さん「そろそろその人に逢いたくなったんじゃない？」
A「ええ？！な、何でわかるの？！」
お母さん「だって私はあなたのお母さんですもの。
さ、もう帰りなさい？その人が待ってくれてるから。
そして、次に会った時、あなたのその好きがどういう好きか、その答えははっきりわかるはずだから」
A「わ、わかった……。ありがとうお母さん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milkssss | 作成日時：2021年2月20日 16時
