ヴァンパイアに恋しちゃいました【M!LK】④ (ページ37)

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マリー「ずっとこんな風に静かな夜だったらいいのに……。
はくしゅんっ……！」

水面に浮かぶ月を眺めながら、マリーはこの静かな夜に一人くしゃみをする。
そんな彼女の後ろの木陰から、黒い影が近づいていた。

サーノリア「寒ければ帰ればいいだろう。いつまでこんなところにいるつもりだ……」

と、サーノリアは震えるマリーに背後からそう告げた。
するとマリーは振り返るや否や、目を輝かせて笑顔でサーノリアを迎えたのだった。

マリー「まぁサーノリアさん！来てくれたのねっ」

サーノリア「べ、別に、た、たまたま通りがかっただけでっ！？
お、お前のことが気になったとか、昨日待ってると言っていたから、とか、そ、そんなんじゃなくてっ！！」

マリー「ふふ、ありがと、サーノリアさん。
あなたが来てくれるって信じていたからこうやって待っていたの。
そしてあなたは来てくれた。
それだけで私はとっても幸せよ」

サーノリア「お、大げさな……。たかが俺が来たぐらいで……」

マリー「それがいいのよ。さぁ、こっちへ来て一緒にお話ししましょう？」

そう言いながら、マリーは自分の隣に大きな風呂敷を広げ、そこへサーノリアを促した。
そして二人は月明かりの下、他愛もない話を繰り広げた。
とはいっても、ほとんどマリーの質問攻め。
好きなものは何かとか、嫌いなものは何かとか、普段どんなことをしているのかとか、そんな他愛もない会話。
あらかたの質問を終えると、今度は自分の話をし出す。
何が好きで、何が嫌いで、普段どんなことをして、そんな他愛ない話。
しかしながら、サーノリアは彼女の話をうんうんと聞いていたのだ。
初めはうんざりといった感じだったが、次第に彼女の話に惹き付けられた。
というか、彼女自身に。
こんなにも自分に興味を持ってくれて、こんなに好意的に接してくれる彼女に、サーノリア自身も興味を持ち始めていたのだ。