ヴァンパイアに恋しちゃいました【M!LK】④ (ページ29)

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それから数日後、ヴァンパイアとヴァンパイアハンターであるシオックの民との戦いは激しさを増し、静かなスターダストヴィレッジの森に戦火の炎が灯る。
暗い夜をまるで昼間のように赤かと照らすその炎は丸一晩森を焼き続けた。
黒い煙がくすぶるそんな森の中。
焼け落ちた木々の隙間に、サーノリアが項垂れて蹲る。
その腕には、胸に木の杭を突き刺されて死んでしまった仲間を抱き、彼の隣にはもう一人のヴァンパイア。
それもまた、無惨にも胸に木の杭を突き刺されて死んでいた。

サーノリア「何で……こんな……」

シオックの民により殺された二人の仲間の死を嘆き、サーノリアはその瞳から涙を流す。
そんなサーノリア自身も、体中にひどい傷を負い、血を流していた。

女性「あなたは、あの時のヴァンパイアさん……？」

その時だった。
そんな彼の元へ、あの女性が現れた。
彼女はまた真っ白な修道服に身を包み、青く輝く瞳でサーノリアを見つめていた。

サーノリア「人間……！！何しに来た？！
何でお前たちはこんなひどいことをするんだ……！！
人の血を吸わなければ生きていけない俺達にだって……生きる権利はあるはずだろ？！
それなのに……！！」

女性「その二人……死んでしまったの……？」

サーノリア「お前たち人間が殺したんだ……！！」

その言葉で、彼女は死んだ仲間を抱くサーノリアの元へとゆっくりと歩みよった。
そして、横たわるもう一人のヴァンパイアの死体にそっと手を触れる。

サーノリア「触るな！！！」

女性「ごめんなさい……本当に……」

けれども、彼女はその両眼から涙を流し、そして、その場で手をついて頭を下げた。
自らの前で泣きながら土下座する彼女を見て、サーノリアは少しの間言葉を失った。
この人間は何故泣いて、なぜ頭を下げるのか、少しばかり理解するのに時間がかかったのだ。