ヴァンパイアに恋しちゃいました【M!LK】④ (ページ22)

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勇斗「ここで待ってろ……。どうやらあいつは中々話を聞いてくれそうもないから……」

A「駄目です勇斗さん！！太智と戦わないで！」

勇斗「分かってる！！でもこのままじゃAまで危なくなるかもしれない……！
俺が何とかするから、それまでここで待っててくれ」

A「……わかりました……」

なんだか無力な自分が情けなくなった。
大好きな幼馴染と、最愛の人が、何でこんな風に争わなくちゃいけないんだろう。
そして、私はそれに対して何もできない。
ただ、安全な場所で見てることしかできないの……？
それでも、勇斗さんは影に紛れ込み、一瞬で太智の元へとたどり着いていた。

太智「ヴァンパイア！！Aをどうするつもりだ！！」

勇斗「シオックの末裔……。俺は、お前と争うつもりはない。
少しだけ話をさせてくれ！」

太智「あれ……その声……どっかで……。
い、いや、それより！ヴァンパイアと話すことなんか、何もない！！
人の血を吸い、人の生活を脅かす悪魔……。
Aまで巻き込んで……絶対に許さない……！」

太智は、またあの剣を振り上げる。
でも、その体は震えてるのが分かった。
きっと、太智は怖いんだ。
ヴァンパイアが、自分の理解の範疇を超えた存在が目の前にいることに怯えているんだ。
だから剣で武装して、襲い掛かる。
自分の理解しがたいものを受け入れられないなら排除しようとする人間の心理が働いているだけ。

勇斗「戦ったこともないそんな素人の未熟な剣捌きじゃ、俺には敵わない……！！いい加減諦めて俺の話を聞けって！！」

太智の震える切先は、勇斗さんにかすりもしない。
ひらひらと蝶のように紙一重で勇斗さんは太智の剣をいなしていた。

太智「う、うるさい！！それなら、これでどうだ？！」

次の瞬間、太智は鞄から大きな十字架を取り出すと、それを月光の下に突き出した。