検索窓
今日:1 hit、昨日:46 hit、合計:143,657 hit

にゃんが四十一匹 ページ41





「行ってきます!」



「お気をつけて、Aさん。今日の晩御飯は鍋にするつもりです!」


弁当を渡しながら言う千寿郎くん。


「ありがとう!えぇ!!今日鍋なの!?嬉しい!!何鍋??」
「もつ鍋です」


「もうお腹すいてきた…」
「A、電車に遅れるぞ」


時計を見て、急いで扉を開けた。


「確かに…!!行ってきます!」


二人に手を振ると、笑顔で手を振ってくれる二人。



それがやっぱり心地よくて、幸せだった。





***





「───これ、三つ、ください」




白い箱に入ったケーキ。
鍋食べ終わった食後のデザート。
特別な日ってわけじゃないけど、たまにはこういうのもいいかも。


杏寿郎さん達絶対に喜んでくれるはず。
うまいっ!って言う杏寿郎さんが想像できる。


改札を出ると、私は走り出した。



「杏寿郎さんっ」
「おかえり、A」

駆け寄ると、彼は目を細めて私の頭を撫でた。
正直少し恥ずかしい。これではカップルみたいじゃないか。



「ちょ、杏寿郎さん」
「む、すまない。…うむ!帰るとしよう!」



杏寿郎さんが歩き出すので、私も隣に並んで歩く。



「杏寿郎さん、今日は何をされていたんですか?」
「…そうだな、千寿郎と部屋の掃除をした後、鍛錬だな」



鍛錬、杏寿郎さんの鍛錬って以前も見せてもらったことあったけど、普通の人じゃこなしきれないハードメニューだったなぁ…。



「A、君は?」
「そうですねぇ…私は普通に事務作業でした。あとはお昼は美味しい美味しい千寿郎くんの手作り弁当を食べて……あ!今日の弁当はさつまいもご飯で、あぁ本当に美味しかったです」



杏寿郎さんは嬉しそうに話していた私を見て、笑う。

「ふふっ、すまない。君があまりにも幸せそうだから」
「千寿郎くんのご飯は人を幸せにしてくれますからね」
「そうだな」


少し間が空いた。
私はちらりと杏寿郎さんを見上げると彼もこちらに気付いて目が合った。


「A?」
「ぁ、ごめんなさい。つい見ちゃいました」
「構わない。それより、今日は俺にわがままを言ってはくれないのか?」




そう言われて、昨夜の事を思い出し、私は顔が熱くなった。




「なっ、…だ、大丈夫です」
「遠慮することは無いぞ。俺は君のわがままも好きだ」



目を細めて言う杏寿郎さん。
急に困ってしまう。



「意地悪ですね」
「君が千寿郎の話ばかりするからだ」


そう言うと杏寿郎さんは顔をそらした。

にゃんが四十二匹→←にゃんが四十匹



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (441 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
677人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - グミさん» わぁぁ!!グミさま〜!!お優しいコメントをありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。グミさまの心を少しでもホワホワさせることができたのなら幸いです!こちらこそ長い間お付き合い下さりありがとうございました!<(_ _*)> (1月30日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - 途中まで読んでいて、でも忙しくて全然読めてなかったのですが、ちらっと除くと完結、と出ていたので一気読みしてしまいました!2人と別れる時、涙が溢れてきました。でも!再会できて良かったです!!しあわせになって、良かった…!コメント失礼しましたm(*_ _)m (1月30日 6時) (レス) @page50 id: 9cb77040e4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - maxiahさん» お久しぶりです!maxiah様!(*´∇`)心が浄化されましたか!それは光栄の極みです!!長い間おやすみしていたのにも関わらずお優しいお言葉胸にしみます(*/-\*)素敵なコメントをありがとうございました!m(_ _)m (2022年4月7日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
maxiah(プロフ) - お久しぶりに拝見させていただきました。はぁ心が浄化されます。好きです。 (2022年4月6日 22時) (レス) @page37 id: f2fb6597c0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 墨染さん» わぁぁ!墨染さまっ!こんばんは!こちらこそ、墨染さまとお話する時は安らぎの一時です!いつもありがとうございますm(_ _)mこれからも、墨染さまを幸せにできるようなお話作りを頑張ります…!(*´▽`*) (2021年7月6日 22時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年1月23日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。