子猫と勘違いして煉獄兄弟拾って来てしまった女性の話。

にゃんが五匹 ページ5

無事、朝食を食べ終えた後、


「買い物、千寿郎くんと行こうと思ったのですが……」

私は千寿郎くんを見て額を押さえた。
ダボダボはやはりまずいのよ。


「少し、誘拐されそうで心配なので、やはり私、一人で買いに行ってきますね」
「誘拐…ですか？僕が…」
「目を離すつもりはありませんが、この時代はなかなか危険ですから、そういう類いは」
「鬼よりも危険なのか！！」


鬼を見た事ないから分からないけど……


「はい…！！」
「よもや！！」


「とにかく、服は私が買ってきますので、サイズだけ測らせてもらいますね」



メジャーと紙とペンを持ってきて、
まずは千寿郎君から測る。その後に杏寿郎さん。


メジャーで測ると自然と距離が近くなる為、両者共に緊張してしまう。



「…はいっ！終わりました、これで大丈夫です」
「うむ、やはり君の時代と俺達の時代は違うのだな」


私の部屋を見渡して杏寿郎さんが言う。


「大正時代からもう随分と時が経ってますからね」



少し目を細めて杏寿郎さんは「そうか」と笑った。
きっと元の世界、元の時代に戻りたいのだろう。
千寿郎くんも同じような顔をしていた。


「よし、じゃあ私は服と布団とかも買ってきますね」
「布団……俺達は子どもの姿でこれからも寝るのでは？」
「あ、はは、一応買っておこうかなって」



毎日杏寿郎さんに悩まされる夜は恐ろしいぞ！！



「では行ってきますね、決して決して水を被らないでくださいよっ！」
「分かりました！お気をつけて！Aさん」
「うむ！気を付けるんだぞ」


「はい！」


こうして服を買って、布団や他にも日用品を買う。
久しぶりの大きな買い物。
お金はまぁ飛んでいっちゃったけど、仕方あるまい！！


「でも、ちょっと今月やばいなぁ……」

しかし翌朝、私はそういう金銭面の問題の心配をしなくてもよくなったのだった。






「え、え？」
「A、これは＿＿＿一体？」
「…誰の仕業…」


私達が目を覚ませば枕元に大量の金銀、宝石が。
とんでもない事に頭が追いつかない。


「これは神様から、彼らの生活費にしろとのお告げが聞こえてくる気がする！！」
「えぇ！？」


「よし、売ろう。そして、杏寿郎さん、千寿郎くん、腹いっぱいご飯を食べよう！！」
「うむ！！」
「はいっ！」



少量の金を売ってお金にして、三人で買い物に向かったのだった。
無駄遣いをしないために、常に杏寿郎さんに預かってもらうことにした。

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