にゃんが二十一匹 ページ21
「洗い物まで手伝ってくれてありがとうございます、緑茶を淹れたのでどうぞ」
食後に二人の前にお茶の入れたコップを置いて椅子に座る。
「ありがとうございます、Aさん」
「ありがとう!A!いただこう!」
二人は柔らかい笑顔で私を見た後それぞれの作業をしている。
千寿郎くんは図書館から借りてきた本を読んでおり、杏寿郎さんはテレビのニュースを見ている。
そう言えば最初にテレビの存在を知った二人は可愛かったらありゃしない。
『箱に人が居るぞ!!A!!』
『Aさん!!助けてあげないと!!』
可愛いったらもう。
何度もテレビを囲み、『こんな薄い場所にどうやって人間がはいるのだ…』などと言っていた。
二人の適応能力が高くてよかった。
特に千寿郎くんに関しては素晴らしいとしか言い様がない。
料理もあっという間に慣れて、道具も使うの上手くて。
今では料理と言ったら千寿郎くん、となっているぐらいだ。
「んー…」
二人を見ていたらだんだん眠くなってきた。
今日は色々と疲れた。
少し温かいお茶の入ったコップを包みながらウトウトし出す。
「Aさんっ、ここで寝ては風邪をひいてしまいますよ」
「千寿郎、Aは疲れているようだ」
そんな声が何となく聞こえてくる。
だけど、頭はふわふわとしていて、重たい瞼は上がる気がしない。
温かい。
温もりに包まれて、気持ちがいい。
腕を伸ばしてギュッと温もりを抱きしめる。
***
「…あれ?」
ゆっくり目を開けて、固まってしまう。
私の両腕がしっかりと二人の首に回っていた。
つまり二人に抱きついて寝ていたのだ。
床に敷かれた一枚の敷布団に三人で寝てしまっていたのだ。
「ん…Aさん、おはようございます」
ゆっくり目を開けた千寿郎くん。
私は急いで腕を離して、謝る。
「ごめんねっ!!千寿郎くん!!杏寿郎さんにも…寝れなかったよね!?」
「大丈夫ですよっ、あ、弁当作らないとですねっ」
千寿郎くんが起き上がり、私の髪にそっと触れた。
「えっ、せ、ん……」
「ここ、少し跳ねています、どらいやー、とやらで直した方が良さそうですね」
天使スマイルでパタパタとキッチンの方に向かった千寿郎くんを見て固まった。
え、あ。
顔が熱い!!!
顔を押さえていると、杏寿郎さんが真顔で見つめていて、私はまた固まった。
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丸(プロフ) - グミさん» わぁぁ!!グミさま〜!!お優しいコメントをありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。グミさまの心を少しでもホワホワさせることができたのなら幸いです!こちらこそ長い間お付き合い下さりありがとうございました!<(_ _*)> (1月30日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - 途中まで読んでいて、でも忙しくて全然読めてなかったのですが、ちらっと除くと完結、と出ていたので一気読みしてしまいました!2人と別れる時、涙が溢れてきました。でも!再会できて良かったです!!しあわせになって、良かった…!コメント失礼しましたm(*_ _)m (1月30日 6時) (レス) @page50 id: 9cb77040e4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - maxiahさん» お久しぶりです!maxiah様!(*´∇`)心が浄化されましたか!それは光栄の極みです!!長い間おやすみしていたのにも関わらずお優しいお言葉胸にしみます(*/-\*)素敵なコメントをありがとうございました!m(_ _)m (2022年4月7日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
maxiah(プロフ) - お久しぶりに拝見させていただきました。はぁ心が浄化されます。好きです。 (2022年4月6日 22時) (レス) @page37 id: f2fb6597c0 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 墨染さん» わぁぁ!墨染さまっ!こんばんは!こちらこそ、墨染さまとお話する時は安らぎの一時です!いつもありがとうございますm(_ _)mこれからも、墨染さまを幸せにできるようなお話作りを頑張ります…!(*´▽`*) (2021年7月6日 22時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
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