子猫と勘違いして煉獄兄弟拾って来てしまった女性の話。

にゃんが十八匹 ページ18

「ひぃぃ、寒い寒い」


二人と一緒に急いで家の中に入る。
そこで、灯りを付けて気が付いた。



「ちょぉぉぉ！！杏寿郎！！絶対に動いちゃダメ」
「む？」



杏寿郎は帰り道私と手を繋ぎながら飛び跳ねていたから嫌な予感はしていたが……。
ここも、こっちも……泥だらけじゃないか！！

ガバガバの服ももちろん、泥だらけ。ズボンとかは私が回収したが、それでも泥だらけ。


「A！！きさつたいごっこ！！」
「分かった、後でやろう！」


とりあえず千寿郎くんをゆっくりおろして、二人を玄関に待機させておく。
まずは風呂の準備しないと……。


「ほらほら、二人とも…ばんざーい！」
「ばんざーい！！わっしょーーい！」
「ばんざいっ！ばんざいっ！」


両手を上げさせて、服を脱がす。

風呂を沸かしている間、泥だらけの服を回収して、桶に入れる。
そして、ほぼ裸の二人を一人一人抱き上げて、風呂場に連れていく。


最近二人を抱き上げているおかげで三ヶ月で以前よりも筋肉がついた気がする。
それは置いておいて。



「よし、じゃあシャワーね」




お湯にしてかける。

「A！！俺はきょうじゅろう！」
「分かった、分かった」


「ねねっ！」


シャワーも一苦労である。
千寿郎くんはビショ濡れの服を着たままの私に抱きついて離れてくれないし、杏寿郎さんに至ってこんな狭い空間で鬼殺隊ごっこを展開しようとしている。



「めっちゃ可愛いけど……少し落ち着こう！」


杏寿郎さんのほっぺをムニムニしながら私は言う。
杏寿郎さんのほっぺ……超気持ちいい。


もうこのまま噛みつきたいぐらい。
シャワーを掛けた二人をお風呂に入れる。
そして、ここからが本番。


逃げる！！！以上！！



このおちび二人組は三ヶ月間で私を捕まえる事に炎を燃やしている。
燃やすところ間違っていると思うが。



「A！！捕まえたぞ！！」


私が風呂場から逃げようとすれば足にしがみつく杏寿郎さん(推定十歳)
お風呂に入れたがすぐに出て来てしまった為だろうか。


「Aっ！いやっ！」


上目遣いというとんでもねぇ凶器を身につけそれが最大の自分の武器だと自覚しているであろう千寿郎くん(推定五歳)



「ふぅ、やれやれ…今日も捕まってしまった……ほらほら私の負けだよ、離れて離れて」
「嫌だ！！」
「Aと離れたくない！！」



めちゃくちゃ良い事言ってくれるけど……毎度毎度大きくなって赤面状態の二人を見るのはこっちも恥ずかしいのだ。

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