にゃんが十六匹 ページ16
そして彼らがやって来て、三ヶ月が経過した。
休日は三人で神社や歴史の資料館、図書館、トリップとかいう類いの本を読んだりして戻る方法を調べたりした。
でも相変わらず手掛かり一つ見つけられない。
こりゃ困った。
二人に力になれなくてごめんね、と謝れば二人は首を横に振って大丈夫だと言ってくれた。
私は少し申し訳なささを感じつつも、このまま三人で居られたらな、なんて考える事もあった。
楽しいのだ。
家に帰って誰かが居ることの幸せ、温もりに触れてしまって、彼らがいつかは帰ってしまうと思うと、少し悲しい。
「A!」
「Aさんっ」
二人の存在が私の心の中に住みついた。
***
「Aさん、Aさん」
「……ん、あれ、いつの間に寝てたの…、私」
天気の良い休日の午後1時。
私は日当たりの良いソファで寝ていた。
「お昼ご飯できましたよ、食べましょう?」
私の髪をサラサラと撫でて、私の顔を覗き込む千寿郎くん。
「……作ってくれたの…?ありがとう」
「いえいえ、、お礼を言われるほどでは…」
ゆっくり体を起こして、ソファからおりると、スっと横から腕が伸びて、杏寿郎さんが私の肩を抱き寄せる。
「疲れているだろう?ほら、寄りかかっていいぞ?」
「あ、え?…ありがとうございます?」
「Aさんっ、僕にも寄りかかってください」
「え、そう?ありがとう?」
三ヶ月経って変わった事と言えば最初の頃よりも二人と距離が縮まった事なのだが。
「「「いただきます」」」
私がスプーンを口に運ぼうとしていると視線を感じ顔を上げると、二人が凝視していた。
「えっと、どうしました?」
「いや、Aが愛らしいな、と思ってな!」
目を細めて爽やかな笑顔を浮かべる杏寿郎さんと、
「Aさんの食べる姿が好きなので……ダメでしたか?」
天使スマイルで、首を傾げる千寿郎くん。
「あ、いや、その……美味しい!オムライス!!千寿郎くんは料理のレシピ本見だしてから上達の速さがすごいっ!!」
パクパクと食べると二人の瞳が弧を描く。
……
少し縮まり過ぎたような気がします。
677人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
丸(プロフ) - グミさん» わぁぁ!!グミさま〜!!お優しいコメントをありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。グミさまの心を少しでもホワホワさせることができたのなら幸いです!こちらこそ長い間お付き合い下さりありがとうございました!<(_ _*)> (1月30日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - 途中まで読んでいて、でも忙しくて全然読めてなかったのですが、ちらっと除くと完結、と出ていたので一気読みしてしまいました!2人と別れる時、涙が溢れてきました。でも!再会できて良かったです!!しあわせになって、良かった…!コメント失礼しましたm(*_ _)m (1月30日 6時) (レス) @page50 id: 9cb77040e4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - maxiahさん» お久しぶりです!maxiah様!(*´∇`)心が浄化されましたか!それは光栄の極みです!!長い間おやすみしていたのにも関わらずお優しいお言葉胸にしみます(*/-\*)素敵なコメントをありがとうございました!m(_ _)m (2022年4月7日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
maxiah(プロフ) - お久しぶりに拝見させていただきました。はぁ心が浄化されます。好きです。 (2022年4月6日 22時) (レス) @page37 id: f2fb6597c0 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 墨染さん» わぁぁ!墨染さまっ!こんばんは!こちらこそ、墨染さまとお話する時は安らぎの一時です!いつもありがとうございますm(_ _)mこれからも、墨染さまを幸せにできるようなお話作りを頑張ります…!(*´▽`*) (2021年7月6日 22時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ