にゃんが十三匹 ページ13
「いや、いやっ!!Aっ!!いやぁぁ!!」
スイートポテトを食べて大変ご満悦だった杏寿郎さんだったが、風呂は千寿郎くんと入って来なと言うとこの通り、嫌がっている。
「Aと入るっ、A!!」
「兄上、入りますよー!!」
「いやっ、Aと入るっ、A!!」
千寿郎くんが杏寿郎さんを抱き上げようとするも、逃げて私に抱きついてくる。可愛いけど、一緒に入って、困るのは貴方ですよ、杏寿郎さん。
「杏寿郎、大丈夫、私ならここに居るから。風呂に入っておいで」
優しく頭を撫でても離れる様子はない。
さすがに明日は仕事だから、ここは円滑に進めたいところ。
「よっしゃ、分かった!じゃあ一緒に入ろうか」
「うむっ!」
「Aさん!?」
「大丈夫、千寿郎くん、任せて!」
とりあえず千寿郎くんを先にお風呂に入って貰うことにした。
***
「Aさん、上がりました……あの、本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫!一緒に入らないから」
「え?」
首を傾げる千寿郎くん。
私は杏寿郎さんを呼ぶ。
「じゃあ、入るよー、杏寿郎」
「うむ!!」
私の手を握る杏寿郎さん。可愛い。
風呂場に行き、私は腕を捲る。
「さっ、杏寿郎、行くよ」
「A、入らないのか?」
「入るよー、でも、杏寿郎の頭を洗ってからね」
杏寿郎さんを風呂場に連れて行き、お湯を掛ける。
「じゃあシャンプー付けるから、ちゃんと目を閉じててね」
「うむ!」
シャンプーを手につけて、杏寿郎さんの髪を洗う。
しっかりとタオルの準備をしているし、大きくなる瞬間に撤退しよう。
洗っていると、ズンっと背中が一回り大きくなった。
「そろそろかな……」
「目、開けてもいいか?」
「まだまだー!」
そして、どんどん大きくなっていくのを確認して泡のついた杏寿郎さんの髪の毛から手を抜く。
「じゃあ、杏寿郎、シャワーで流してねー?」
私が外に出ようとゆっくり扉を開けようとすると、スパンっと扉を閉じられる。
「っ!!?」
「どこに逃げるつもりだ、A」
「ちょっ!?」
背後に居るのは、高校生ほどに成長している杏寿郎さん。
逃げるとかそういう問題じゃないよ!
「A、どこへ逃げるつもりだ。ここに居ろ…うぅ」
その瞬間うずくまる杏寿郎さん(推定十六歳)。
「ちょ、杏寿郎さん!?」
しっかりと腕を掴まれて、離して貰えない。
……終わった。私は今遠い目をしていることだろう。
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丸(プロフ) - グミさん» わぁぁ!!グミさま〜!!お優しいコメントをありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。グミさまの心を少しでもホワホワさせることができたのなら幸いです!こちらこそ長い間お付き合い下さりありがとうございました!<(_ _*)> (1月30日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - 途中まで読んでいて、でも忙しくて全然読めてなかったのですが、ちらっと除くと完結、と出ていたので一気読みしてしまいました!2人と別れる時、涙が溢れてきました。でも!再会できて良かったです!!しあわせになって、良かった…!コメント失礼しましたm(*_ _)m (1月30日 6時) (レス) @page50 id: 9cb77040e4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - maxiahさん» お久しぶりです!maxiah様!(*´∇`)心が浄化されましたか!それは光栄の極みです!!長い間おやすみしていたのにも関わらずお優しいお言葉胸にしみます(*/-\*)素敵なコメントをありがとうございました!m(_ _)m (2022年4月7日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
maxiah(プロフ) - お久しぶりに拝見させていただきました。はぁ心が浄化されます。好きです。 (2022年4月6日 22時) (レス) @page37 id: f2fb6597c0 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 墨染さん» わぁぁ!墨染さまっ!こんばんは!こちらこそ、墨染さまとお話する時は安らぎの一時です!いつもありがとうございますm(_ _)mこれからも、墨染さまを幸せにできるようなお話作りを頑張ります…!(*´▽`*) (2021年7月6日 22時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
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