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煉獄さんはそっと私の頬に手を伸ばし、私に触れようとしたが止まった。
手ぬぐいを取り出して、私に握らせる。




「……君のお父上の許可がおりたら連れて行ってもいい」
「えぇ!!?本当ですか!?」




私は無意識に煉獄さんの手を握って歩き出していた。





「こっちです!!さぁ、煉獄さんっ!!」
「……先程までの悲しい顔が嘘のようだな」
「私は煉獄さんの傍に居られるのなら泣いてる暇なんてありませんから!」




そう言えば、笑い声が後ろから聞こえてくる。








「そんな勘違いされるような発言はするものではないぞ!」
「勘違い?私は本当にそう思ってますよ?素直に受け取っていただきたいです!」





彼の手を引きながら、たくさんの人々とすれ違っていく。
彼の手は温かくて、ゴツゴツしていて、皮が厚くて、沢山努力した手。



「煉獄さん、必ずや父を説得してみせますから!」
「君は______」







***








「ダメに決まっているだろう!馬鹿か!本当に毎回、毎回、馬鹿娘がほんっとにすみません!!」
「父さん!!私なら大丈夫なんだよ!!この藤の花を身に付けていれば!!」
「お前…」



煉獄さんは困ったように眉を下げて笑っている。
煉獄さんの中で私は完全に問題児扱いだろう。ごめんなさい、煉獄さん。


だけど、私は煉獄さんの傍に居られるのならなんでもする。
煉獄さんの生き様に感動したんだ。

ここで出会ったのも何かの縁、絶対に離しはしない。




「父さん、私は煉獄さんの刀からぶわわわっと炎が溢れ出るように見えるあの凄い技を描き残すの!」
「…とうとう娘が壊れた」



拳を固め、私は父を見つめた。


「大丈夫、煉獄さんの邪魔はしないし、死にもしない。ちゃんと戻ってくる。約束するから」
「はァァァ…愛の力か…」



「む?愛?」
「…仕方がない、必ず戻ってくる事。これが行かせる条件だ」
「うん、大丈夫!父さん!」



煉獄さんが驚いた目で私を見る。


「本当に行くのか?」
「行きますよ、私は煉獄さんを描くと決めたんですから」



藤の花を着物の懐に入れる。



「藤宮さんっ、はは、なんだ、その入れ方は」
「華やかでしょう?」
「ははっ、確かに華やかだな!」



煉獄さんは父に頭を下げた。



「命にかえても、娘さんを守り抜いてみせます」
「娘をよろしくお願いいたします」

拾壱→←玖



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古猫丸(プロフ) - 柑橘蛍さん» 柑橘蛍様!いつもコメントありがとうございます(*´ω`*)そうなんですよね!主人公ちゃんめちゃくちゃ高難度の技をやってのけているんですよ!!軽く大まかな事を描いて、後付けでじっくり描いていたのではないかな〜と思います!(*´艸`*) (2021年5月3日 6時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 完結おめでとうございます!よく考えたら主人公ちゃん静物じゃなくて動物スケッチしてるんですよね…すご。 (2021年5月3日 0時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 華さん» 今回は珍しく兄貴切り抜け話だったので、レア中のレアです!この話も一番最初に話を練ったときは兄貴はそのまま見届けられる感じで、来世の話も無しの一番切なかったのですが、やっぱり幸せエンドにしました(*´-`*)次回作、頑張りますっ〜!(*´▽`)ノ (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 彩乃(yumeko)さん» 彩乃(yumeko)さん、コメントありがとうございます!(*´∇`)旅館のシーンは他の話と比べてちょっと甘めですよね!(*´艸`*)ふふふ。こちらこそ最後まで目を通していただき、ありがとうございました!m(_ _)m (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 丸ちゃん、完結おめでとうございます(*´ `)最後、煉獄さんが無限列車を切り抜けて良かったと思いました!二人が幸せな結末で良かったです。次のお話も楽しみにしていますね! (2021年5月2日 22時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月27日 18時

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