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不思議なこともあるもので。



「あ…」
「む!」



食堂でご飯を食べながら、食堂で働く千代さんという可愛らしい女性を写生していると、煉獄さんが食堂に現れたではないか。




目が合ったので反射的に頭を下げれば向かいに座ってきて、驚く。



「何を描いているんだ?」
「あの、女性___千代さんという方を描いているんです」




そっと見せれば、驚く声がする。










「そっくりだな!!うまい!!君は絵描きかなにかなのか?」
「いつも父の仕事の手伝いをしていて…絵は病状などを書き写す時に必要でして」
「そうか…!!」




煉獄さんはそれはもう興味津々な様子で私の手元に集中している。




「あ、そうだ。煉獄さんのことも描きましょうか?」
「む?なぜ俺の名前を?」



……っ!!しまった!!!
え、どうしよ、なんて誤魔化そう。





「あはは、それは」
「それは……?」
「有名人だからです!!私は聞いたんです、以前鬼から助けてもらった人に!」
「ほう……?」




少し目を細めて聞く煉獄さん。
……完全に、そう、完全に怪しまれてる。





「……そうか、俺はいつの間にか有名人になっていたのか!!驚きだ!」
「あはは……」




やり過ごせた?
やり過ごせたよね!!?

……そう信じたい。




「俺も描けるのか?」
「えぇ、描けますよ」





クルクルと鉛筆を回して言えば、




「そうか!!……見てみたい!!と、思った、うむ、思っただけだ!」
「反応が可愛い」
「む?」
「あ、いや、少しお時間いただいても?」
「構わないぞ!」






私が描き始めれば、煉獄さんは丼物を頼んでいた。



集中。相手は人間だからどうしても動く。
集中して、描くんだ。
筋肉の動き、次に予想される動作。

まずは軽く描いていく。





「いただきます!!……うまい!!うまい!!」



いつの間にか丼物がきたようだ。
親子丼。


美味しそうに食べる煉獄さん。
瞳、眉、口、耳


全てのパーツを丁寧に。









***





軽く三十分程経った頃だろうか。




「出来ました!」



軽く腕を伸ばすと驚いたような声が聞こえた。



「すごいな…君はすごい!!」
「すごい褒めてくれますね」

「本当に君はすごいのだから当たり前だろう!!」



煉獄さんから褒められたらみんな嬉しいんだろうな。
みんな、強くなれる!!

肆→←弐



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古猫丸(プロフ) - 柑橘蛍さん» 柑橘蛍様!いつもコメントありがとうございます(*´ω`*)そうなんですよね!主人公ちゃんめちゃくちゃ高難度の技をやってのけているんですよ!!軽く大まかな事を描いて、後付けでじっくり描いていたのではないかな〜と思います!(*´艸`*) (2021年5月3日 6時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 完結おめでとうございます!よく考えたら主人公ちゃん静物じゃなくて動物スケッチしてるんですよね…すご。 (2021年5月3日 0時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 華さん» 今回は珍しく兄貴切り抜け話だったので、レア中のレアです!この話も一番最初に話を練ったときは兄貴はそのまま見届けられる感じで、来世の話も無しの一番切なかったのですが、やっぱり幸せエンドにしました(*´-`*)次回作、頑張りますっ〜!(*´▽`)ノ (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 彩乃(yumeko)さん» 彩乃(yumeko)さん、コメントありがとうございます!(*´∇`)旅館のシーンは他の話と比べてちょっと甘めですよね!(*´艸`*)ふふふ。こちらこそ最後まで目を通していただき、ありがとうございました!m(_ _)m (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 丸ちゃん、完結おめでとうございます(*´ `)最後、煉獄さんが無限列車を切り抜けて良かったと思いました!二人が幸せな結末で良かったです。次のお話も楽しみにしていますね! (2021年5月2日 22時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月27日 18時

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