拾肆 ページ14
「煉獄さん、お怪我はありませんか？」
見た感じ、怪我一つなさそうだけど。
「うむ！無い！！」
「煉獄さん」
「む？」
ここ一帯に鬼が居ないことを確認して私達は帰路につく。
「今日は月が明るかったのでよく煉獄さんが見えましたよ」
「では月が出ない日は任務に同行することはできなそうだな？」
「月が出なくても、煉獄さんの任務に同行させて欲しいです。煉獄さんの美しい戦いっぷりを…」
「君は本当に破談されたのか？」
煉獄さんは不思議そうに私を見てきた。
破談の藤宮とも言われているこの私が、疑われようとは……。
「本当ですって。もう一回会っておしまいです」
「君は、すこし変なところはあるが、破談されるようなところはどこにも見当たらないが？」
煉獄さんは優しい。
＿＿＿＿嬉しいなぁ。温かいなぁ。彼の言葉はやっぱり聞いていて心地が良かった。
「煉獄さんも変な人ですね。私にそんな優しい言葉を掛けてくれるなんて」
「君は何も気にすることは無い！！胸を張っていい！君を断るような男はその程度の男、というわけだ！」
「煉獄さん、私を嫁に迎えてくださいな」
「ははは！十年後君が独り身であったのならな！」
豪快に笑う煉獄さんを横目に見ながら、口元がやんわり緩いだ。
あと、貴方の命は何ヶ月なのだろう。
あと何日、私は貴方を描く事ができるのだろうか。
「藤宮さん」
「はい？」
「今日は賑やかな夜だ」
煉獄さんが空を見上げて言うので、私も空を見上げた。
なるほど。
夜空が綺麗だ。
街灯の少ないこの時代は星々を際立たせた。
「私もいるので、今日は更に賑やかな夜ですよ？」
「あぁ＿＿＿＿＿こういう夜も悪くないな」
何となく煉獄さんの顔を見る事は出来なかった。
声が、切なさを帯びるその声とその表情が。
見たらきっと、胸が張り裂けそうになる。
煉獄さんは未来に起きる事なんて知らない。
だけど、その覚悟したような、受け入れているような声が。
私の心を掻き乱した。
「どうしたんですか〜？そんな悲しそうな声出して。泣きたい時があればいくらでも胸を貸しますよ〜？？」
「藤宮さん、男に対して胸を貸すなんて言ってはダメだろう！！まったく、君はもう少し女性としての自覚を＿＿＿＿＿」
「煉獄さんは信頼してるのでいいんです！」
「良くない！！」
私は気付かないフリをする。
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古猫丸(プロフ) - 柑橘蛍さん» 柑橘蛍様！いつもコメントありがとうございます(*´ω｀*)そうなんですよね！主人公ちゃんめちゃくちゃ高難度の技をやってのけているんですよ！！軽く大まかな事を描いて、後付けでじっくり描いていたのではないかな〜と思います！(*´艸｀*) (2021年5月3日 6時) (
レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 完結おめでとうございます！よく考えたら主人公ちゃん静物じゃなくて動物スケッチしてるんですよね…すご。 (2021年5月3日 0時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 華さん» 今回は珍しく兄貴切り抜け話だったので、レア中のレアです！この話も一番最初に話を練ったときは兄貴はそのまま見届けられる感じで、来世の話も無しの一番切なかったのですが、やっぱり幸せエンドにしました(*´-`*)次回作、頑張りますっ〜！(*´▽｀)ﾉ (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - 彩乃（yumeko）さん» 彩乃（yumeko）さん、コメントありがとうございます！(*´∇｀)旅館のシーンは他の話と比べてちょっと甘めですよね！(*´艸｀*)ふふふ。こちらこそ最後まで目を通していただき、ありがとうございました！m(_ _)m (2021年5月2日 23時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 丸ちゃん、完結おめでとうございます(*´ `)最後、煉獄さんが無限列車を切り抜けて良かったと思いました！二人が幸せな結末で良かったです。次のお話も楽しみにしていますね！ (2021年5月2日 22時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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