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彼女を見つけたのはもう10年も前になるだろうか
6歳の誕生日パーティー、兼お披露目パーティー
一般の社交界デビューは早くても高校生に上がってからだが、代々寿命が短い天祥院家は当主が急逝する可能性があるため、早いうちから次期当主をお披露目する
交流のある名家をこれでもかと集め、盛大に行われるパーティーは、名目上『誕生日パーティー』であるが、誰も僕自身を祝う人はいない
｢これで天祥院の未来は安泰ですわね｣
｢天祥院家と関わりがあるものとして誇りが高いものです｣
｢是非お父さんによろしく伝えてください｣
挨拶に訪れる大人たちは口先では祝うような言葉を述べつつも、最後には父に取り入ることしか考えていない
『大人は下劣だ』
今考えるととてつもなくひねくれた嫌な子供だったのだが、常在戦場のこの世界ではちょうど良かったのかもしれない
積まれた外国ブランド物のぬいぐるみや有名おもちゃ会社の新作ゲーム
すべてが大人たちからの貢物だったが、僕がこれを家で使うことは父が許さない
自分にとってはゴミと等しかった
大人たちは父の挨拶が始まると同時にいっせいにそちらへ向かう
喧騒が過ぎ去ると、1人の少女が話しかけてきた
｢わあ、プレゼントいっぱいね｣
にこにこと笑いかけてくる同い年かそれよりやや年下くらいのその子はプレゼントの山を羨ましそうに見つめた
『僕、使わないし、その、あげようか？』
普段大人に囲まれ、幼稚園にも通っていなかった僕は、焦ってこんな言葉を口にしてしまった
｢ええ！いいの！｣
わーい、と嬉しそうにプレゼントに駆け寄る女の子
すると、燕尾服を着た男の人が血相を変えて飛んでくる
｢お嬢様！探し回りましたよ！……あああこれは天祥院の坊っちゃまのプレゼントですよ、みっともない。乞食だと思われたいのですか？｣
僕のお世話係もそうだが、仕える家がある人は、その子息をしつけとはいえ叩いたりはできない分、少し毒舌になる傾向があるようだ
『かまいません、このように沢山あっても困ってしまいますし、貰ってくだされば助かります』
｢ですが、｣
｢ほら、天祥院のお兄様もこう言っているわ！｣
｢お兄様って…お嬢様と同じ年ですよ｣
結局、何も持たずに半べそをかきながら戻っていく少女
｢そうだ！誕生日おめでとう！｣
笑みを見せて手を振る彼女に、
今思えば初めての感情を抱いていたのだと思う
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ゆゆちゃん(プロフ) - 夜桜 奏さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます！更新早いのがだけが取り柄なので頑張りますっ笑 (2019年9月13日 22時) (
レス) id: 7a2e201cbb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 奏 - 健気すぎる夢主ちゃんに涙です…頻繁に更新して下さりありがとうございます!いつも楽しみにしています (2019年9月13日 21時) (レス) id: dd2c6bf5e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆちゃん(プロフ) - 月見団子さん» ほんとですね、申し訳ありません！非公開外しておきました。。気をつけます！ (2019年9月13日 17時) (レス) id: 7a2e201cbb (このIDを非表示/違反報告)
月見団子 - いつも楽しく読ませていただいております。えーと…『75話』が抜けてません？ (2019年9月13日 17時) (携帯から) (レス) id: d5ccda77cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆちゃん(プロフ) - うみさん» そう言って貰えて嬉しいです！こちらこそありがとうございます！ (2019年9月13日 2時) (レス) id: 7a2e201cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆちゃん | 作成日時：2019年9月11日 1時
