Valkyrieの強火オタクが魔王様と距離ができる話

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9月中旬



英智から送られてきた一通の封筒
細長い紙切れ
手紙はなし




『夢ノ咲学院ドリームフェスティバル Valkyrie VS fine』




どうやら見に来い、という意味らしい
呟いてからふ、と嘆息ともつかない笑い声が無意識に飛び出た



VS、ですって
いつからアイドルたちはステージでバトルを繰り広げるようになったのだろうか



英智の所属するらしいfineのライブは見に行ったことがない
けれど順当にいけば夢ノ咲の帝王たるValkyrieが負けるはずがないのだ


好き好んで負け戦を晒すような英智ではない
私にチケットを送ってくるのにはなにか意味があるのだ
だから何か嫌な予感がしてたまらなかった



なにかされる、




宗さんに、なずなさんに、みかくんに、伝えなきゃ、言わなきゃ、そう思うけど



いきなり会いにいかなくなって、連絡先も消されて、逃げてしまった私を今更受け入れてくれるほど甘い人達ではない




『まあ所詮、本来は関わるはずのない人達だものね』



五奇人もValkyrieも、“朔間零”だって、遠い遠い世界の話
私には関係ない話






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