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肆拾壱 ページ3

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どきどき、どきどきと心臓の音がうるさい。
木でできた広い湯船に、にいさんが座って、その足の間にわたしが入る体制。
もう先程の比じゃないくらいに恥ずかしいこの状態で平気で話せるほど、わたしの心は強くなかった。

(南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…南無妙法蓮華経……)

気を抜いたら一瞬で羞恥心で死にそうな現状から目を背けるために必死に脳内で念仏を唱える。

…そういえばうちは無宗教だったが、致し方ない。最近巷では基督(キリスト)教というものが流行っているらしいと帝国電報で見たことがある。


ふいに、わたしのお腹にまわるにいさんの両腕。

─────片腕に、大きな刺青の跡。


「…これ、気持ち悪いやろ。もう二度と取れへんのやで」

わたしの視線で感じ取ったのか、自嘲気味にそう言う志麻にいさん。




きもちわるいなんて、そんなわけ、ないのに。



「気持ち悪いだなんて……そんな訳ないですよ、綺麗です」

透き通った白い肌に、芯の通った力強い腕。

そんな彼の腕に入った刺青はむしろ、1枚の絵画の様に綺麗だった。


わたしがそう言うと、はー…とため息を吐きながらわたしの肩に顎を乗せる彼。
白い入浴剤によって濁っているから良いものの、そのままのお湯だったら羞恥心でとっくに逃げ出していただろう。


「俺よりAの髪の毛の方が綺麗やで。さらさらしてて、俺は好き」





────────好き。


そんな直球で言われた言葉に、ふるりと心が喜ぶ。
振り返って、彼の瞳を見ながら言う。


「わたしも、好きですよ」



─────あなたの髪が。


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影月希望(プロフ) - 長男さん» 作品にメールアドレスを登録していた場合。アカウントのパスワードが発行されると思うのでそれを打ち込めば再ログインできると思います。あと、とても素敵な作品です。続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年3月7日 13時) (レス) @page27 id: 2a5085a77b (このIDを非表示/違反報告)
長男 - ちょこさん» 戻りたいんですがいかんせん機種変したせいでログインできなくなってしまって…т т (2023年3月3日 19時) (レス) id: f346af2ee0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2022年5月10日 12時) (レス) @page27 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
長男(プロフ) - そうです無事高校生になりました村人Aです…まじで申し訳ないです… (2022年4月25日 23時) (レス) id: f346af2ee0 (このIDを非表示/違反報告)
雨の夜 - 長男さん» えっ!!?村人Aさんなんですか!? (2022年2月23日 17時) (レス) @page27 id: 1e59db50fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:村人A | 作成日時:2021年1月13日 21時

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