肆拾 ページ2
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気を抜けば失神しそうになる程刺激の強い目の前に広がる光景にくらくらする。
｢し、失礼します……｣
暖かいお湯で
ぴと、と彼の逞しい背中に軽く片手をつき、
｢い、痛くないですか…？｣
｢ん？いや、むしろ丁度ええよ｣
彼の言葉にほっと胸を撫で下ろす。
…正直、この浴室に鏡とか無くてよかった。仮にあったとしたら間違いなく見えてしまうお互いのあれやこれ──下世話極まる単語なので伏せさせてもらおう──のせいで気まずくなっていただろう。
未だにわたしと彼の間を流れる、��5年の壁�瓩�精神的距離を取らせているのだ。
こんなにちかくにいるのに、とおい。
ぽた、と手の甲に何かがこぼれ落ちる。
それが自分の涙だと気がつくのに、数秒かかって。
｢………A…？｣
急に動かなくなってしまったわたしを不審に思った志麻にいさんが、こちらを見る。
｢───泣いとん、の？｣
｢…ぁ、いや、違うんです、石鹸の泡が、目に染みただけで………｣
咄嗟に下らない言い訳が口から出る。
それなら、ええけど。なんてあえて追求しないでいてくれた彼の優しさが嬉しかった。
隙間なく丁寧に拭いて、丁度いい温度のお湯で流す。
さて、これでわたしの仕事は終わり…そう思って、立とうとした時だった。
がしりと彼の腕がわたしの手首を掴む。
｢……へ？｣
｢…………何勝手に、上がろうとしとんの｣
そして、ついと指先で白く濁ったお湯の入れられた湯船を指さすにいさん。
｢どーせなら、一緒に入ろうや｣
｢…………………………はい？｣
その瞬間、涙が引っ込んだ。
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影月希望(プロフ) - 長男さん» 作品にメールアドレスを登録していた場合。アカウントのパスワードが発行されると思うのでそれを打ち込めば再ログインできると思います。あと、とても素敵な作品です。続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年3月7日 13時) (
レス) @page27 id: 2a5085a77b (このIDを非表示/違反報告)
長男 - ちょこさん» 戻りたいんですがいかんせん機種変したせいでログインできなくなってしまって…т т (2023年3月3日 19時) (レス) id: f346af2ee0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 終わってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！ (2022年5月10日 12時) (レス) @page27 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
長男(プロフ) - そうです無事高校生になりました村人Aです…まじで申し訳ないです… (2022年4月25日 23時) (レス) id: f346af2ee0 (このIDを非表示/違反報告)
雨の夜 - 長男さん» えっ！！？村人Aさんなんですか！？ (2022年2月23日 17時) (レス) @page27 id: 1e59db50fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：村人A | 作成日時：2021年1月13日 21時
