何度廻っても、俺はお前を愛してる【う ら た ぬ き】

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それからというものの、私のことを面白いといって気に入ったのか
うらたさんはちょくちょく、私の家に遊びに来ていた。
来るときはだいたい夜、もしくは雨の日だ。
そんなある日のことうらたさんは私の顔をまじまじと見てきた。
　

　
「…血は吸わない約束じゃなかったの、うらたさん。」

「いや、お前の目さ血みたいに真っ赤で俺好みって思っただけ。」

「私は…嫌いだよ、この目。」

　
　
私の両親は私が幼いころにどちらも死んでしまった。
そしてこの目は母親からの遺伝である。
母親は村の外からの移民で、あまりいい扱いを受けなかったらしい。
村人からしたら赤い目は不思議らしく私もあまりいい扱いを受けていない。
現に今住んでいるところは村のはずれだし…
おかげでこの吸血鬼が着やすくなっているけども。

　

「なんだ、俺と似てんじゃん。」

「え？」

「俺の目、緑だろ？」

「うん。」

「吸血鬼の目ってのはだいたい赤系なんだよ。赤とか黄色だろーあとは紫とか。」

「へぇ…」

「だから、俺もこの目でいろいろ言われたけど…気にしてねぇよ。」

　
　
そう言いながら彼は笑った。
確かに絵本とかで出てくる吸血鬼の目はみんな赤だった。
吸血鬼が何人いるかわからないけど…人と違う、それは周りの目が集中することを
私は身をもって知っていた。

　
「別にさ、周りがどういおうとも俺は俺だしAもAだろ？
　見た目がどうとか言われたって両親からもらったものだし嫌いになったらダメだろ。
　それに、母親譲りってことはお前の父親みたいにその目が好きって言ってくれる人も
　絶対にいるはずだっての。現に俺はその目好きだし。」


　
そう言って、親指でそっと目じりを撫でてくるうらたさんに
ドキッとしながらも彼の言葉に心のどこかの鎖が解けるような
軽くなったような気がした。


　
「うらたさん…ってさ、吸血鬼らしくないよね。」

「あ？何？食われたいの？」

「そういう意味じゃなくて、私と話してくれるのもそうだけどさお人よしだし。」

「別に、俺が話したいから来てるんだよ。お前はそれに付き合ってればいーの。」

「……ありがとう。」


　
そうお礼を伝えると、彼の耳はまた赤くなった。
これを追及するとまた怒られるから言わないようにしておくが。


　

「いいか、これから夜は家にいること。あと雨とか曇りも外に出ないこと。」

「え？」

「っていうか、俺が来た時にいないとか言ったら怒るからな！」

「…はーい。」

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