あれから【三十二港】 ページ32
─マルコside─
彼女が意識を失ってから、今日で早二日。
俺は、相変わらず仕事の合間に様子を見に行くのが日課になっていた。
……にしても、「殺して」。そう言った彼女が頭から離れない。
イ「よぅ、マルコ。…お前さん、最近難しい顔ばかりしてやがるが、なにか問題でもあったのか？」
昼下がり、甲板で一人考え事をしていると、イゾウがそう言いながら、こちらへ向かってきた。
こいつになら…相談するのもありかねぃ。
マ「いゃぁ…な。医務室にいる、あの女のことだよぃ。ちょっと、気になる事があったんでねぃ。」
すると、イゾウが、
イ「そういえば、お前さん、左腕のその跡どうしたんだ？ずっと気になっていたんだが…。あの女と関係あるのか？……そもそも、なんで天下の不死鳥様には再生の炎があるってのに、そんな傷跡が残る？」
と聞いてきた。…いや、それもそうなんだが、何より、あの言葉。……なにか裏がありそうだよぃ。
それを知るためにも、早く起きてもらわなきゃねぃ。まずは、意識を戻してくれなきゃ、何も始まらない。
マ「ぁあ。この傷かぃ？…多分、パニックになったんだろうねぃ。噛まれたんだよぃ。……獣の牙で。」
意を決して、イゾウに言う俺。
すると、目を見開くイゾウ。……そりゃそうだ。
正直、俺自身もよくわかってない。本当なら、傷も跡形もなく再生の炎と共に消えるはず。
そうじゃないとすれば……アレが能力の一部ということになる。
だが、それだって、消えるはず。それくらい、再生の炎は、傷も怪我も癒してくれるから。
イ「無敵の長男でも、そんなこと…あるのか。獣の牙ってことは……恐らく能力者だろうな。」
と静かに言った。
すると、後ろから、リロが来た。
最近は、戦闘の時以外人間の姿でいることが多くなった。
少しは、心を開いてくれたっていう証なのかねぃ。
次の瞬間…リロはとんでもないことを言った。
リロ「……なぁ、マルコ。イゾウ。……信じられないかもしれねェが……あの方が……俺の……主……なんだ。今はまだ、眠ってるけどな。」
…ッ？！？！な……なんだって？！
あの女が……こいつの…リロの…主…だとっ？！
それは、イゾウも思ったようで、隣で唖然としていた。
─その時、医務室の方から、凄まじい爆発音がした。
─ようやく……目覚めたかねぃ？
けど、その次に湧き上がる想いに俺は驚いた。
─なぜ俺は…あの女を心配してるんだ？
目覚めた彼女はトゲだらけ【三十三港】→←不思議な女【三十一港】
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Licht-リヒト-(プロフ) - 哀羅さん» 応援しております。文字は書いた分だけ上達しますし頑張って下さい！ (2020年8月3日 17時) (
レス) id: 882fee5827 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - Licht-リヒト-さん» オォ！！リヒトさん！！ありがとうございます！！嬉しすぎます泣泣でもこれでもあんまり上手くいってなくて。視点の切り替え下手っぴです笑これからどんどん上手くなれるよう精進します。コメントまで下さりありがとうございます！ (2020年7月22日 17時) (レス) id: 58bdaeccd2 (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - すごく面白いですね！ 主人公の能力もカッコよくて良いなと思います。また、視点の切り替えもお上手で読みやすかったです。 (2020年7月22日 10時) (レス) id: 17df9f06ee (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 部屋狭さん» 嘘ですよー！私なんかよりも、部屋狭さんの方が絶対良いですよ！！！！でも、とても有難いお言葉です！！ありがとうございます！！そして何よりもわざわざ読んでくださり、コメントまで下さったことにもう嬉し過ぎてハーレムです笑 (2020年6月26日 18時) (レス) id: 58bdaeccd2 (このIDを非表示/違反報告)
部屋狭 - めっちゃ面白いです！私、設定こんな練れないんでウラヤマです… (2020年6月26日 18時) (レス) id: becd15f444 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哀羅 | 作者ホームページ：http://.uranai.riane.jarrck
作成日時：2020年5月16日 12時
