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にーじゅう ページ21

コナンside


先生の話を聞いて、俺のしている事って正しいのかと分からなくなってしまった。
いや、正しいことには正しいのだと思うのだが、俺たち探偵は善と悪、犯罪かそうでないか、線引きがきちんとしており、それを明白にするのだと思う。
言い方を変えると、それを相手に、周囲に突き付けるのだ。
『これは犯罪です。あなたは悪です。』
そう示して終わり。

それって、本当に正義の行いなのだろうか?

正義って俺にとってはやっぱり先生で、その先生は示すだけでなく、その後の事を一緒に考えたりしている。また、示し方も探偵のような逃げ場がない所まで追い詰めるやり方ではなくて、相手から自白できるように、つい溢れ出てしまうようにしていた。
……まあ先生は探偵ではないからどうともいえないけれど……。
最終的には犯人も笑顔になって、前向きになっていて、先生らしいなって思うのと同時に、何故か自分が悲しく感じてしまった。

虐待についても、俺の中では全く身近には感じず、むしろ殺人事件の方が身近に感じる。それはそれで宜しくないとは思うのだが。
だからこうして虐待について触れると、虐待の連鎖、それを防げない悔しさ。殺人事件を防げない悔しさと似た心の内があるし、好きで暴力を奮う人、好きで殺人を起こす人なんて居ない。その共通項にまた、なんとも言えない気持ちになる。

そして何より、未だに周りに明瞭になっていない虐待が数多い事が怖く感じた。
事件とは、その出来事自体を表す。虐待も事件に包含されるのだと思うが、そもそも俺がよく遭遇(したくないけど)する殺人事件、強盗事件、拉致誘拐事件等など……これらは、周りが気付き、騒ぎになるからこそ明らかになり、解決へと導けるのだ。
けれど、虐待となれば、周りが気付かない限り明確になりにくい。している方もされている方も隠したがることが多いと思う。そうなると余計に見つけづらい。

そんな現実を、先生は俺が小さい時からずっと、そばで見ていたのか。
それを助けたい、今の俺の行動が正しいかは分からないけれど、いつか胸を張って正しかったと言えるように、そんな現実を変えたい。この推理力を使って。


「……はぁ、」

「どうした?コナンくん?」

「あっ、あぁいや何でもない!」

「そう?」


後ろから歩いてきた先生が俺の顔を覗く。



……そう言えば、先生の発した

『俺も似たような体験をしましたから』

この言葉と先程の先生の回答に俺は引っかかりを覚えていた。

にーじゅいち→←じゅーきゅー



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瑠衣(プロフ) - 深夜さん» 拙作をご覧いただきありがとうございます。申し訳ないのですが、私の方ではトラブル回避のためそういった事は行っておりません。よってpixivでの投稿はご遠慮いただけると幸いです。ご理解の程よろしくお願いいたします。 (2022年11月28日 22時) (レス) id: 8996d6d5d2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - ロシナンテ。さん» ご一読下さりありがとうございます。そ、それは……笑 名前が「なるみ」の方もいらっしゃいますものね、考えていませんでした……だいぶ個性的なお名前で素敵です笑 (2022年11月28日 22時) (レス) id: 8996d6d5d2 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - pixivで書いてもよろしいでしょうか?名前、タイトル変えます (2022年11月25日 12時) (レス) id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
ロシナンテ。(プロフ) - 名前が成海だから名前がだいぶ面白いことに笑笑 (2022年11月24日 13時) (レス) @page1 id: 7c91679d8c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠衣 | 作成日時:2022年11月18日 6時

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