沫がみっつ ページ3
ざっと説明を済ませた占い師さんは返事を待つように俺の顔をじっと見つめる。
俺は、、、頷いた。
それに満足したように占い師さんは、頑張ってくださいね、と言葉を残して袋を渡して俺を外に出した。
今思えば…というか最初から怪しいことばかりだ。
チャンスを作るって?
どうやって作るんだよ…
大切なものを失う?
肝心な大切なものを教えて欲しい…
そして…
俺は出る前にもらった袋の中に入っているものを見つめた。
入っているのは20センチくらいの銀のナイフ。
それと一緒に入っていた紙を開く。
【失敗した時のために、特別に渡しておきます。何もかも終わらせたいときに、彼の心臓にこれを突き刺しなさい。そうすれば、私たちが出会う前に時が戻り、なにもなかったことになります】
俺は無言で紙を袋の中に戻した。
俺の好きな人が男だとわかったんだから、案外チャンスを作るというのも本当なのかもしれない。
その日はもうなにも考えたくなくてすぐに寝た。
つぎの日…
俺は声が出なくなっていた。
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作者名:瑞飴 | 作成日時:2017年12月7日 17時