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沫がふたつ ページ2

次の日、暇だったからぼちぼち散歩をしていたら怪しげなお店を見つけた。

「海底の館…?なにこの明らかに怪しげな店」

窓から少しだけのぞいてみると、どうやら占いをやっているようだ。

「あ…ここ当たるって評判のとこじゃん」

google先生に聞いてみたところ、どうやらここの占いは当たるらしい。

「占いと…あ、パワーストーンとかも売ってるんだ」

占いか…

暇だし、やってもらおうかな。

中に入ってみると案外人はいなかった。

…ほんとに当たるのか?ここ。

個室に通されて占い師さんと一対一の状態になる。

「あ、お願いします」

占い師さんは少しだけ口角を上げて笑った。

用意されていた椅子に座る。

「なにを占いますか?」

「……恋愛」

やっぱり恋愛は気になる。

失恋してしまったわけだけど、運命の相手は現れるのかとか…結婚できるのかとか。

「貴方は、失恋をしましたね?それも最近」

「な、なんでわかるんですか!!?」

「ふふふ、占いで出た結果です」

占い師さんはもう一度石に視線をうつした。

「貴方は…なにを望んでいるのですか?」

「望み?」

「そうです。」

望み…

望みか…

俺は…

「好きな人に…1回でいいから好きって言ってもらいたい」

言葉にしてから激しく後悔した。

これは自分の勝手な願いであって無理な話。

だいいち、うらさんとうらさんの好きな人に対して失礼だ。

自分勝手な自分に嫌気がさす。

「でしたら…私が作りましょう。チャンスを」

チャンス…?

「なんの?」

「失恋した相手に好きになってもらえるチャンスです。」

好きになってもらえるチャンス…

「この話を受けるのであれば、かけにのってもらいます。」

どちらが正解なんだろう。

こんな怪しい話、受けない方が身のためだとは心の底から思う。

けど…

「受けます」

俺は自分の望みのために、うらさんの幸せを捨てた。

「では、かけの話をしましょうか」









お店から出る。

1つ1つ占い師さんの話を思い出してみた。

『かけるのは貴方の大切なものです。』

『大切なもの…』

『それを、しばらくの間貴方は失います。安心してください。貴方が成功して見事両思いになったときは、失ったものは綺麗に帰ってきます。ですが、もし、失敗した場合…両思いになれなかった場合ですね。そのときは、貴方の大切なものは一生戻ってきません。』

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作者名:瑞飴 | 作成日時:2017年12月7日 17時

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