裏表スイッチ【あんスタ】【悪女】

きゅうけつきのあに ページ21

*‥




言葉が、出てこないってホントにあるんだ。



今この状況を見て思う。
ホントに、何も言えない。



「あっ、弥生！」



「弥生ちゃんっ！」



「弥生、あのね！」




なんで、なんで。


閉じ込められたのは、Aだ。



Aを閉じ込めたのは、紛れも無い、古林弥生だ。




普通は、好きな人を陥れようとした古林弥生を嫌うはず。


これは、逆だ。

逆に、彼女を好いている。









＿＿＿＿..ように見えるだけだ。







形は好いているけど、
よくよく見れば、目元が笑ってないし、
若干棒読み気味だ。


演技のつもりだったら、まだまだ。




けど、そうする理由も見つからない。







＿＿彼らの、真意が見えない。





目の前に広がる奇々怪界な世界に、
ついていけない自分がいる。


夢かと思って頰をつねる。
すこし古臭い考えかもしれないが、今はそんなことどうでもいい。




あ、痛い。


夢じゃ、ない。




何か知ってるとすれば、
あの子だ。




城西、A。




彼女が、裏を引いてるのだと思う。



ちょうどいい、頼まれてたプリンがここにある。

そして、軽音部にやって来た時に吐かせる。




学院に齎した影響と、
今学院に起こっている謎を。




すこし、時間が経つ。







『…知りたい、ですか？』




棺桶の中。
暗闇の中。

ようやく目が慣れて来た中。


彼女は、妖しい笑みを浮かべた。



これは蜜だ。

いちど舐めてしまったら、
癖になって、何度も溺れる。






＿＿＿＿..いいのか？それで。









心の奥底で問う。









＿＿＿＿..いいんだよ、これで。








そして“俺”は、
甘い甘い蜜に溺れていく。








「どんなお前でも受け入れる」





忠誠を誓って、彼女の頬にキスを落とした。









○＊・○○


⚠一部修正致しました！
指摘ありがとうございます泣

うら→←じゃまもの

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