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辻村の憂鬱8 ページ17

そこに用意されていたのは、豪華な食事の数々だった。
山盛りのサラダはクルトンたっぷり、ドレッシングもお手製らしい。
平打ちのパスタはミートソースががっつり、粉チーズもかかっている。
スープには野菜が具沢山。
私にはとても作れない………と言うか、滅多に作らない。
私の今日の朝食がトーストと昨日買った珈琲の残りだけだったのを知っていたらしい。
少し寝坊して作る時間がなかったのだ。
しかし何で分かったんだろう…………………?


綾「早く食べたまえ。Aがせっかく作ったブランチが冷める」
辻「はい、いただきます!」


手を合わせて食べ始める。
サラダは水切りしてから冷やしてあったのか冷たくシャキシャキで、パスタのミートソースはレトルトじゃない。
トマトを大量に使ってあるお手製だ。
スープは薄味なのに野菜の出汁の香りがしてすごく美味しい。
カフェとかのブランチって感じだ。


辻「ん------------------------------------!(言葉にならない喜び)」
綾「君は食事をする時も騒がしいのか」
辻「こんなに美味しいご飯食べて喜ばない方がおかしいですよ!」


言い返してサラダを一口頬張る。
リスみたいだな、と綾辻先生がつぶやいていたが無視する。
悪かったですね、リスで。
用意されていたのは一人分で、私のために作ってもらえたものだと実感した。


辻「ありがとうございます、Aさん。とても美味しいです」
A「…………………」


無言で会釈を返される。
ひょっとして綾辻先生の許可がない限りこの人は喋らないのではないのか、と心配になる。
もきゅもきゅと食事をしながら綾辻先生に聞く。


辻「何で私が今日の朝食を簡素にしてきたって分かったんですか?」
綾「A、鏡を持ってきてやれ。一目瞭然だ」


こくりと頷きAさんは手鏡を取りに行き、姿を消した。
綾辻先生の冷ややかな目が私を眺める。


綾「今日はいつもより二十分から三十分寝坊した君は朝のルーティーンの何を削ったか。
慌てて化粧をして髪を直して朝食をその場にあったものですませた。
カフェラテを途中で買うこともせず、ここに来た。
つまり食事を削っている。
11時過ぎ、ブランチには丁度いい時間帯だった。
Aの帰宅時間が重なっていたから帰った時に命じたんだ」
辻「確かに私は今日いつもより三十分寝坊しました。
何でそれが分かったんです?」


いつもどおりに化粧もしたしおかしいところはないはずだ。

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乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» 同い年ですね! (2019年8月17日 21時) (レス) id: a46352e6e0 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 乾 巽さん» 同い年……オーマイガァー (2019年8月17日 20時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» ありがとうございます、そんなこと言われたの初めてです。因みに年は今15です (2019年8月17日 11時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 文才力の塊……。その文才わけてください← この小説とても面白くて大好きです!!私も作者様と年変わらないと思うので……羨ましいです……。 (2019年8月17日 11時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - ありがとうございます、頑張りますね (2019年8月10日 10時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乾 巽 | 作成日時:2019年1月23日 16時

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