第238話:ムーブ ページ3
「ーーーーそ……うですか。良かった。」
理由を話してから彼の返してくれた言葉と落ち着きのある表情にほっとする。
悪い反応が返ってくるとは思ってなかったけど、恋人の反応はやっぱり気になってしまうものだ。
勿論この人は、期待に違わずきちんと褒めてくれる。
「眞鍋は殺すけどね」
「赤司さん??」
急に物騒でびっくりする。
爽やかな感じのノリで言わないで欲しい。
早朝からその重さは呑み込めないから!
私の白黒してる様子に気付き、再び爽やかに微笑んでみせる赤司さん。
冗談だとは言わないところ、本気らしい。
そんな感じで、少しだけ私の耳に顔を寄せて、
「今日のAも可愛いよ」
なんでもないようにそんな台詞を吐けるこの人は、前世は王子か貴族かなんかだったんじゃなかろうか。
愛おしそうに私の肩から落ちた髪のひと束を持ち上げて戻す、そんな彼の仕草や言葉にいつまでも慣れずにぼっと赤面する私。
とは言うものの、今日の赤司さんはいつにも増して、な気がする。
お褒めの言葉だけならまだしも、こんなにキラキラ王子様って感じだったっけ…?
これが所謂「赤司様ムーブ」なのか。
直撃すると威力が凄いな……あまりにも眩しい。
「ところで今日は一人なのか?
テツヤは?」
「あっ、それが……、昨日の夜から熱が出ちゃったみたいで。
疲れが溜まってたんだと思うんですが、今日はお休みだそうです」
恒例って程でもないけど、これまでにも何度かあることだ。
私が推理に付き合わせたのもあって、疲れが許容量を越えたんだろう。
今更ながら申し訳ないな……
「そう。
そう言えば昨日電話した時も少しヒートアップしたり、らしくない所はあった。
回復したら体力をつけさせる必要があるな」
こころなしか赤司さんの語尾が弾んでいる。
あああ……
重ね重ねごめんねテツくん…元気になったら練習頑張ってください……体力作りの……
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白虎 - 赤司くんはやっぱりカッコイイですね〜 (7月21日 10時) (レス) id: eab1ac402f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae | 作成日時:2022年4月19日 19時