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終わっていなかった ページ25

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次の日。
私は太宰幹部に呼ばれ、訓練を受けるべく再び倉庫に来ていた。


はい、ここまでで私の心境を凡て把握した人にはもう何も云うことありません。
合格(?)


その一。
前日初任務で疲弊しきっているうえにショックで倒れた女子中学生に次の日から訓練をつけるのはおかしい。

その二。
昨日の今日で太宰幹部に顔合わせるとか無理。死ぬ。

その三。
昨日の今日で芥川さんに顔合わせるとか無理。死ぬ。


小さくため息を吐き、最初と比べればまだ軽めの足取り(軽いとは言ってない)で倉庫に向かう。

扉を開ければ、そこに立っていたのは芥川さん一人だった。


否、それを認識した瞬間には、羅生門は既に目の前だった。

咄嗟にこの前覚えたばかりの重力バリアを張る。

まだ弱いものだったので、羅生門に突き崩されてしまったが、時間の余裕ができたので、それを躱す。

恐らく大分間抜けな顔をしているであろう私の顔を一瞥し、芥川さんが云った。


「勝負はついていない」

「で、でも、太宰幹部が終わりって……」

「今日のところは、と仰っただけだ」


それだけ云って、芥川さんは亦攻撃を仕掛けてきた。

前と違って太宰幹部がいないので、私は逃げに徹するわけだが、太宰幹部来たら間違いなく後ろから刺される。

マフィアに入って何度目かわからない死を意識したとき、竟に芥川さんの短刀(ナイフ)が届いた。

急いで身を捩るも、肩に鋭い痛みが走る。

完全に心臓を狙ってきているその攻撃に、背筋が凍った。

そのまま地面に倒れる。

体中が震えて、体勢を立て直すことができない。


前には芥川さんが迫ってきている。

もう駄目だ、そう思ったその時。


「之で判ったか。僕は貴様より強い」


突然降ってきた言葉に、恐る恐る上を見上げると、矢張り此方を見下ろす芥川さんと目が合った。

予想外のあまり、その言葉を理解するのに暫くかかった。

返事ができなかったのを無視と受け取ったのか、芥川さんが眉根を寄せて再び口を開く。

「……貴様は僕より弱い。何故あのような真似をした」

あのような、というのが昨日の事だというのは判った。

ただ、返事が全く思いつかない。

「……成り行き、と云いますか、まあその……はい」

大分適当な答えになってしまった。

芥川さんも、そこは期待していなかったらしい。

ふん、と鼻を鳴らしただけだった。

何気に初会話かも→←主人公気取りかよ



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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年10月1日 22時

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