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番外編?:独り歩む another story ページ14

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それは衝撃の事実だった。


正直、幸田は独り身だと全員が思っていた。

Aが「大人の色気で若い女の子を抹殺する独身アラサー」と称した程である。


幸田は未だ状況が呑み込めていないAの肩を掴むと、今までになく焦った様子で早口に言った。

「妻と駅にいるときにはぐれたらしくてそのまま消えたんだ。探すのを手伝ってくれ、何でもするから」

「判った、落ち着け、揺らすな!」

Aが叫ぶと漸く我に返ったのか、悪かった、と手を離す。


「……長女も、一人目の妻も亡くしたんだ。これ以上、失うわけには」


先ほどまでのほのぼのが全て吹っ飛び、どんよりとした空気が流れた。

それを払拭すべく、Aが手を叩く。


「はい、幸田さん。娘さんとは中華街駅ではぐれたんですよね」

「……ああ」

「じゃあ辰さんの異能があれば一発です。行きましょう」

「ちょっと待って」

堀辰雄が慌ててAを呼び止める。

「僕の異能は強い感情の表れが必要なんだ。恐怖とか恨みとかがないと痕跡は出ない」

「……迷子って怖いんですよ」

適当すぎる返答をしたAは、付いて来いと言わんばかりに踵を返して、ドアを開けた。


「行ってきます」



________________________



「どう?辰さん」

「……見つかるわけないでしょ」

半分呆れ気味に言う堀は、それでも懸命に幸田の娘、文の痕跡を探していた。

「ポートマフィアに襲撃される恐怖と迷子になった恐怖とじゃ、わけが違うんだ、まったく……」

ぶつぶつ言いながら駅の構内を歩き回っていると、突然、キーンと、耳にくる音が駅中に響いた。

周りの通行人も、不安そうに宙を見上げ、囁き合う。


「音響弾だ」

「出口にも軍警が集まってたし、何かあったのかも」

「……行ってみよう」

そう言って線路に飛び降りようとする堀に、今度はAがツッコミに回る番だった。

「ストップ、ストップ!」

腕を引かれ、怪訝そうな顔をする堀に力説する。

「線路に飛び降りると防犯カメラに映って軍警に目を付けられて素性洗われて指名手配される!」


するとAの目が見慣れた帽子を捉えた。


急いでそちらを振り返る。



「中也さん……!」



________________________



方舟さくら丸__舟員・堀辰雄
異能力___「雪の上の足跡」

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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年10月1日 22時

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