出動 ページ47
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「安部です」
「おう、入れ」
「失礼します」
しばらくぶりの中也さんからの呼び出し。
「ご用件は」
「4ヶ月ぶりの『TAS』出動だ」
思わず片眉を上げてしまった。
「俺が行ってやってもいいんだが、何せ仕事が溜まってる。今回の敵はなかなか厄介でな。幹部級には異能力者が勢揃いしてやがる」
「…それを潰せと」
そうだ、と中也さんは頷く。
「これが資料だ。あとは好きにやれ」
「承知しました」
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「…と、いうことで、我こそはという人は?」
「……いないね、知ってた。いつも通り推薦でいきます」
そう言って全員を見渡す。
「向こうには氷を操る異能力者がいるそうなので、雪を操る異能力者の徳田さんに対抗してもらいます」
徳田さんは快諾してくれる。
「それから、組織のアジトが地下にあるので荘八さんも来てもらいたいです」
「いいよ」
イケメンは罪である(妄信)
「数が無駄に多いので、吉岡さんも来てください」
「りょーかい」
「辰さんと小林君は現場待機で」
「出動は2ヶ月ぶりかなぁ」
「……めんどくせぇ、なんで毎度毎度こいつと組まされんだよ」
「それは僕も同じだよ。誰も蚯蚓と組みたいなんて思わないさ」
メンバーが粗方決まったところで立ち上がる。
「はいそこ喧嘩しないの。私は中也さんの代理としていきます。作戦説明するのめんどいんで紙読んどいてください」
「相変わらず適当だな」
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「やなとこだね〜」
「思ったより寒いね…」
「大丈夫かい?A」
「全然大丈夫です」
荘八さんの過保護は戦場であろうといつも通りだ。
〈で?様子はどうなんだよ。〉
「勘づかれたみたいだね。みんな忙しそうに働いてるよ」
「気づかれたなら待っている必要は無いな。…異能力『太陽』」
荘八さんの手から光の塊が生まれる。
「!なんだ?」
「仕事中に失礼、『アポカリプス』の皆さん」
鳥肌が立つほど綺麗な笑みを浮かべ、荘八さんがそう問う。
「少しお話を聞かせて欲しいんだが」
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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年2月6日 18時