首領 ページ42
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結果は予想の斜め上をいった。
いや、中島さんが勝つとは思ってたけれど、芥川さんの空間断絶が破られるとは思ってなかったよ。
あの時、芥川さんが中島さんの虎化した手で思いっきり殴られるのを見て
「あ、これこのまま水面に身体打ち付けたら死ぬぞ、内臓破裂するぞ」
とか思って咄嗟に水に飛び込んでクッションになったはいいけど、服濡れて寒いしなによりいろんな所折れたわこれ。
確実に折れたでしょ。
息するのですごい激痛が走るんだけど。
「あ"っ、も、少し揺らさないで…」
「す、すみません…」
肋骨肺に刺さってたりしたらいやだな、とか思いつつ黒服に皆さんに運んでもらっている。
面目ない。
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「下顎骨剥離骨折、前頭骨・胸椎裂離、頸部靱帯損傷、上腕・大腿筋断裂、全身�掬拉�傷、そして昏睡。派手に壊されたものだねえ。安部君も、随分な被害を被ったみたいだね。任務失敗の代償というわけだ」
「…申し訳ありません」
「申し訳ありません」
こんにちは病人です。
首領から呼び出し食らっております。
声小さくてすみません痛いんです。
「このまま意識が戻らないかもしれないよ」
「っ、そんな…！」
「気を落とすことはない。君たちはよく頑張ったよ。確かに探偵社の襲撃に失敗し、人虎の捕獲を誤り、輸送船を沈めたけど頑張ったからいいじゃないか。頑張りが大事。結果は二の次だ。そうだろ？」
なんだろう。
二番目に言ったのにしか関わってないのに全てにおいてぐさぐさ来る感じ。
「そうそう。作戦中に芥川君が潰したカルマトランジットの残党が手勢を集めているそうだ。芥川君への復讐だろう」
「っ！」
え？生きてる奴いなかったよね。
私あれでもちゃんと確認してたんですけど……。
「いいかね樋口君、安部君。マフィアの本質は暴力を貨幣とした経済行為体だ。何を求めても誰を殺してもいい。だが暴力を返されることは支出であり、負債だよ」
「そんな、負債などと…。芥川先輩はこれまでの任務で多大な成果を…」
「確かに芥川君は優秀だ。彼の暴力性は組織の中でも抜きんでている。では君は？」
「っ！」
そうだ。
こういう時は黙っているのが一番なのだ。
別に怖くてトイレ行きたいとかそんなこと思ってない。
「樋口君？君は自分がこの仕事に向いてると思ったことはあるかね？」
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作者名：のーと。 | 作成日時：2018年2月6日 18時
