72. 電話の声 ページ4
それから1週間、地獄だった。
父と母に信じて貰えず、騙されたのはこっちだから怒りたくても、泣かれちゃうとなんも言えない。
会社では常に好奇の目で見られる。
良くしてくれてた上司も、検察官としての主となる仕事も、どんどん離れてくのが分かるんだよ。
軽斗は会ってないし、電話も出てない。
会いたくない。あんなやつ。
今会ったら、泣いちゃう気がする。
嫌いなやつの前でも、誰かと話すと、泣いちゃう気がするくらい追い込まれてるのは自分でも分かってる。
｢……また電話だ｣
最近は電話の音も怖くて。
でも、名前を見てすぐ出た。
1週間、1度も電話も何も来なかった人。
｢……お姉ちゃん｣
莉嘉『…A、大丈夫なの？』
お姉ちゃんにも、お母さん達と同じように言われるのかな…なんて思ってたけど、
あまりにも優しい声に、安心して、涙が止まらなかった。
｢……私、違うんだよ、利用されて……｣
莉嘉『お母さんから話は聞いたけど、怒るだけで詳しい事は知らないみたいだったし、これは話聞いてあげてないな〜って思ってはいたけど』
外であることなんか気にせず、泣きながら説明して。
子供みたいにわんわん泣いたの、久しぶりだったけど、凄くスッキリした。
なにより…
莉嘉『っはぁ！？A本当に大丈夫！？もう今すぐ浮木のとこ乗り込んであげたいところなんだけどさ！今札幌で……』
お姉ちゃんが味方でいてくれたことが嬉しかった。
莉嘉『とにかくAは堂々としてればいいんだからね！悪いことひとつもしてない!!』
｢うん｣
莉嘉『…………えっと、1週間後に東京戻るからその時に』
｢待ってお姉ちゃん｣
莉嘉『え？』
待って……
｢そこに……櫻井さんいる？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1460人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恋(プロフ) - 2人の今後の私生活とかピンクとか読んでみたいです…！今までありがとうございました！ (2020年8月17日 17時) (
レス) id: 2a5783d47b (このIDを非表示/違反報告)
sachippo(プロフ) - ハチミツ様はじめまして!私の中で今、更新を一番楽しみにしている作品で、おもわずコメントしてしまいました!やっと翔くんと話す事が出来てよかった…ドキドキが止まりません!´∀｀ (2020年8月6日 12時) (レス) id: 712aa0d33c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハチミツ
| 作成日時：2020年7月30日 1時
