僕の大好きな君 [F.W] (1/1) ページ1
、
「A！ こっちおいでよ！」
朝っぱらから騒がしいグリフィンドールの席。
人ごみにまぎれてやってくる彼女を見つけてそっと引き寄せるのは、僕の役目だ。
まるで首がすわってない赤ちゃんみたいに、首をがくんと揺らせて席につくA。
どうやら、首が痛いらしい。ぶつかってしまった人を睨んでいる。
「おはよう、今日はご機嫌斜めだね？」
「うん。それ以上でかい声で話したら、あんたの顔にパイ投げつけるから」
「あはは、かなり斜めだ！」
フォークで僕を刺そうとしてくる彼女に、少々身の危険を感じながらも笑って済ます。
いっつも朝はこんな調子で機嫌が悪いから、僕ももう慣れたものだ。
ちなみに、この状態の彼女にキスでもしてみろ。
舌と唇を噛み千切られちまうぜ。
一度寝ぼけ眼のAが可愛くてキスをしたら、頭をひっぱたかれた。
まわりの女子が悲鳴をあげたけど、彼女はただひとり冷たい目で僕を見ていた。
そんな僕はべつに怒るでもなく、ただ単に「どうしたの？」と聞いたのだ。
勇者だったぜ、僕。
対する彼女は淡々とこう言った。
「うざい」
そのあと話しかけてくるジョージに、少し不機嫌そうな態度で接するA。
僕はしばらく固まって、しかも心が砕かれてしまっていたから、立ち直るのに時間を必要とした。
というか正直、涙さえ流れていたと想う。
それでも、Aは寝る前になると必ず頬にキスをしてくれるし、
寒いなと言ったらマフラーを、暑いなと言ったら携帯水筒で冷え冷えのお茶をくれる。
べつに嫌われているわけではないのだ。
だから、僕は何をされたって基本怒らないし、不機嫌にはならない。
舌打ちをした彼女は面倒くさそうに食事をすすめていく。
だが途中で、僕のほうへ視線を向け、おもむろに僕の頭のほうへ手を伸ばす。
髪の毛を抜き取られるのかと構えたが、違った。
あのAが、朝から、機嫌が悪いはずなのに、僕の頭を優しく撫でたのだ！
「フレッド、寝癖ついてるわ」
「あとで梳かしてあげるから、さっさとご飯食べちゃいましょ」
にこっと一瞬だけ微笑んだAは、まるで天使みたいだった。
そして何事もなかったかのように、また食事を再開する。
おそらく、僕の顔は今、火がでるくらい熱くて真っ赤だろう。
(髪、綺麗ね。伸ばしてみたら？)
(大好きなきみが言うなら、そうしてみようかな)
、
▽
続編の一発目のお話はフレッドです。
なんだかんだで仲いいカップル、素敵です。
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あきは(プロフ) - ユウさん» 初めまして、コメントありがとうございます。パスワードについてですが、当作品の説明欄にリンクと共に載せておりますので、お手数ですがそちらをご確認の上ご入力ください。ぜひ楽しんでいただけたら幸いです。 (2022年7月7日 23時) (
レス) id: e573973469 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - はじめまして、主様の作品を楽しませて頂いてます。フラワーバースの方も是非読みたいです。パスワードお願いします。 (2022年7月7日 22時) (レス) @page17 id: 8f5ef5ab64 (このIDを非表示/違反報告)
藍薇(プロフ) - はじめまして、主様の作品どれも素敵で何度も読ませて頂いています。フラワーバースの方もぜひ読みたいです！良かったらパスワードを教えていただきたいです🙇♀️ (2022年3月13日 11時) (レス) @page43 id: ea0f6320a6 (このIDを非表示/違反報告)
ラージ(プロフ) - はじめまして。どの作品も楽しませていただいております。兄妹のお話気に入りまして、フラワーバースのパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2022年2月19日 20時) (レス) @page17 id: dcf731a749 (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - はじめまして、主様のお話とても面白く大好きです！フラワーバースの方も是非読みたいです！！パスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします (2022年1月10日 0時) (レス) @page17 id: 205cd56e43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきは | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月23日 12時
