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あれから約30分
「 はあ、はあ、、 」
『 ふう、ふ、ふうー… 』
口を割れ割らないという攻防戦により、お互いの体力は削れに削れていた
「 はあ、ッまじで口割らねェなオイ…まあそういうとこも、流石だわ… 」
『 ふ、ふう、ふふ、ありがとうございます、? 』
睨み合いっ子を先に辞めたのは中原の方だった。彼は「 はーあ、しゃあねぇな 」と1つ伸びをする。対するAはやっと終わった…と肩の荷を下ろした。その時であった
「 口先だけじゃ割らねェなら…次は体だな 」
『 え?…ひゃ 』
にやり、と1つ妖しく笑った中原はその小柄な体から異常なほどの力を生み出し、カウンター越しにいるAをひょい、と持ち上げて自分の膝に下ろした
『 ちゅ、ちゅうやさ 』
「 口じゃァ割ってくれねェんなら、こうするしか…なァ? 」
もぞ、と膝の上で動く中原の手
『 ちゅ!ちゅうやさん! 』
肩からひらりと落ちていくメイド服のエプロン
「 ん?ちゅ?ちゅう…しろってか? 」
にやり、と至近距離で笑う中原に、Aはわなわなとするしか他がなかった。逃げようにも相手は男、ましてやポートマフィア幹部である。いくらAが世の女性より力があってもその差は歴然。中原にはどうしようもない
Aのことをからかうように口を段々近づけて行く中原。彼と彼女の口はもうあと、5センチもない
『 や、あの、ちゅやさ 』
「 ふ、そんなに俺の名前呼んで…俺のこと、だいすきだな? 」
まるで恋人に向けるかのような甘い蕩けた瞳を向ける中原
そんな目を向けられるとぴたり、と動けなくなってしまうA。彼を、拒めない
残り2センチ…そんな近さまで来てしまった
「 させるかッッ!! 」
「 ヘヴッッ!?!? 」
『 っ!! 』
残り1センチ、その近さになった瞬間に中原が後ろに飛んでいった。Aの顔の横には長く、包帯に巻かれた腕。つまり中原を飛ばしたのはあの男ということ
『 太宰さん! 』
「 もうAちゃんってば浮気かい?私という素晴らしい恋人がいるというのに! 」
わーんと彼女の膝の上で嘘泣きをかます男は太宰治。Aは一言『 違います 』とバッサリ切って中原の介抱に急ぐのであった
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零桜 - すっ、好き…冥途ちゃん。はわ、可愛い。更新待ってます! (9月18日 8時) (レス) id: fe567fe024 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - アァ‼︎終わらんとってぇ〜‼︎ (2022年12月7日 21時) (レス) @page29 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 続き待ってますぅ!! (2022年6月9日 16時) (レス) @page29 id: 41724ba062 (このIDを非表示/違反報告)
アジフライのカス - え、え、え??か、可愛い…え?好き…お、?面白い…好き!!!!!! (2021年12月1日 17時) (レス) @page15 id: fb2299d8e5 (このIDを非表示/違反報告)
もちのあじ(プロフ) - オープニングが素敵すぎる…!!主人公も魅力的だし、これからが楽しみです!頑張ってください〜! (2021年11月23日 22時) (レス) @page3 id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷぷ | 作成日時:2021年11月22日 1時