【テニプリ】色を失った少女と立海テニス部

第１０話 ページ10

〜Aの過去〜



あ「ママー！ママぁー！！お絵かきできたー！！」



「あらあら、ちょっと見せて・・・あらA、葉っぱの色は黒じゃないわよ・・・？

　それに、お花の色だって灰色じゃなくて、ピンク色よ？」



あ「？何言ってるのママ。私にはこう見えたよ？」



はじめて描いたお絵かき。



ママに褒めてもらいたくて見せにいったのに・・・



ママは褒めてくれるどころか腫れ物を見るような目で私を見てきた



5歳でも分かった


あの、化物を見るような目


私はあの時の母親の表情を今でも忘れない



あれは実の娘に向けるような目ではなかった



「もしかしたら、Aは色盲かもしれないわ・・・」


夜中にふと起きるとママの声が聞こえてきた


色盲ってなあに？



「なんだって？どうしてそう思ったんだ」


あれパパもいるの？



「今日・・・Aが絵を描いて私に見せてくれたの


　・・・そしたら、葉っぱの色は黒で花びらの色が灰色だったのよ

　これって色盲じゃないかしら」



「・・・3歳の頃に検診したが、そういった結果はでなかったじゃないか」



「でも・・・おかしいわよ！この年頃の子はカラフルな色を選ぶのよ！？

　なのに・・・黒や灰色なんて・・・絶対におかしいわ」



私はおかしいの・・・？


ママは私のことそんな風に思ってるの？




「・・・必要であれば病院に連れていこう。俺もついていくか？」


「ええそうね。・・・もしかしたらデリケートな話になるかもしれないし」



私はその時点で布団をかぶって固く目を閉じた



ママたちがあんな会話をしていることの悲しみと


私はもしかしたら重い病気なのかもしれないという恐怖心でいっぱいになった

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