わたしはたいようのほうがすきです【8】 ページ30
つきより
8 side
今、長く続いていた片想いが終わった。
幼馴染、その枠が、越えられなかった。
俺の目の前には真っ白で美しい花嫁がいる。
俺の、バケゆかの、花嫁じゃない。
8｢…綺麗だね、A｣
『…ふふ、ありがとう』
8｢…まさかなぁ…俺の知り合いと結婚するなんてなぁ…｣
『ごめんね、付き合ってたこと、黙ってて』
8｢んー、謝んなくていいよ、職場が一緒だったならしょうがないさ｣
『ねぇ、ゆかちゃんさ』
ヒュッ
と、喉がなる。嫌な、予感
『ゆかちゃん、好きな人、居たの？ずーっと、私の隣に居たけど、居たなら、そっちに行っても良かったのよ？』
8｢…居たよ、居たけど｣
『…けど？』
8｢Aの方が、居心地が良かったんだ…気分悪くさせてたなら、謝る。ごめん｣
きっと、その真っ白な衣装の下の心は真っ黒なのかもしれない。
ずっと、小さい時からずっと隣に居たのに。
Aのことなら、なんでも信じてやれていたのに。
今じゃこんなことすら信じてやることが出来ない。
8｢…聞いて、欲しいんだけどさ｣
沈黙がとける。俺の声によって。
彼女は俺を真っ直ぐ、その綺麗な目で見ている。
8｢…Aは、太陽と月、どっちが、好き？｣
その答えはとうに出ている。
俺はこの答えを知っているし、Aもこの質問への答え方も知っている。
望む答えは、絶対に、来ない。
ふい、と、目が逸らされる。
何故か、背けられたことに安心している自分がいる。
それがとても怖くて
無性に泣きたくなった。
『わたし、は、【わたしはたいようのほうが、すきです】…だから』
8｢知ってた、続きは、言わなくても分かってるから｣
ふわりと、その“純白”を俺の腕の中に閉じ込める。
今だけ、今だけだから。
8｢…好きだったよ、A｣
『知ってたよ、ゆかちゃん』
今
ここで、自分の部屋で、外で、人前で、仕事場で、布団の中で、
泣けど喚けど必ず変えられない朝が来る。
とても憎い、太陽が、必ず昇るのだ。
8｢Aの、太陽に、なりたかったよ…｣
『…私じゃ貴方の月にはなれないのよ、ごめんね…ゆかちゃん』
披露宴、前には太陽と共に笑う綺麗な月の姿があった。
俺は静かに雨を降らせた。
8｢…お幸せに、A｣
声は賑やかしに消えた
6月21日【私は他の人の方が好きです】
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梅雨にピッタリのお話を書きたかったけれどできなかった(かもしれない)
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ラッキーカラー
あずきいろ
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汀(プロフ) - 沙夜さん» ありがとうございます！！自分にも無理は無いよう頑張っていきたいと思いますので応援宜しくお願いします！頑張ります！！ (2018年7月17日 6時) (
レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - 長い間更新お疲れ様でした！完結おめでとうございます(^○^)新作も読ませて頂きました。頑張って下さい！ (2018年7月17日 6時) (レス) id: f4fb874013 (このIDを非表示/違反報告)
汀(プロフ) - すぷらさん» ありがとうございます！今後も無理のないように頑張りたいと思います！良ければこれからも応援よろしくお願いします！ (2018年7月13日 20時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - 完結おめでとうございます！もう貴方様の作品が生き甲斐になっておりました…次回作も楽しみにしていますが、あまり、無理の無いよう頑張って下さい！ (2018年7月13日 20時) (レス) id: e340ba7d83 (このIDを非表示/違反報告)
汀(プロフ) - すぷらさん» ご心配おかけしてすみませんでした、もうかなり良くなりました！ありがとうございます！！どうかすぷら様もお風邪をお召しになりませんようお気を付け下さいね！ (2018年6月29日 23時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汀 | 作成日時：2018年5月12日 1時
