あしたのつきはきれいでしょうね【1】 ページ16
【⚠人狼イメージ、流血表現あり】
それならきっとわたしは
1 side
狼の遠吠えが聞こえるこの夜。
ひっそりと家の中で僕達は身を寄せ合う。
彼女、Aちゃんは占い師。
僕を『白』と言ってくれたほんとうの占い師。
信頼出来るから、と僕のことを近くに置いてくれている。
僕も、自分は白だと分かっているからこそ、彼女のことを守ることが出来るのだ。
『…今日も、人狼が殺しにくるのかしらね』
そう言った彼女の眼は恐怖に染まっていた。
1｢うん…でも、アイツらも馬鹿じゃない。一晩で食べられるのは1人だけだから。Aちゃんを食べてしまっても、僕が狼を見てしまうことになるから。｣
『そっ、か…なら尚更、一緒に居た方がいいのね』
1｢そう、だから、僕から離れないでね｣
『えぇ、わかったわ。せんたん』
彼女の白い、細い指が僕の服をキュッと掴む。
同時に僕の心臓もキュッと掴まれる。
守って、あげたい
そんな庇護感情すらこの状況下で生まれてしまうんだから、なんと素晴らしいゲームなんだろうか。
そんな風に、考え。
お互いに身体を寄せ合い眠ろうとした時。
ドンドンと激しく扉が叩かれる。
｢…俺は狩人だよ。今晩はあなたを守りに来ました｣
沈黙が、流れる。
『本当の、狩人さん？』
｢あぁ、本当の狩人だ｣
『でも申し訳ないけれど、今の状況で貴方を家に入れられないわ。ここにはせんたんが居るもの』
1｢…入れても、いいと思うよ｣
『！本当に、言ってるの？』
1｢うん｣
『…今、開けるわ』
ガチャリ、ぎぃ
ざくり
ぽたり、ぽたり
紅が周辺に広がる。
彼女のローブは赤ずきんの如く真っ赤に染まっていく。
『え、ぁ、せ、んたん？』
僕の手にはナイフ。
それはぬらりと、月明かりを反射する。
狩人の顔は驚きと恐怖で染まる。
1｢…Aちゃん、【あしたもつきはきれいでしょうね】｣
僕は、その手からナイフを落とす。
カラリ、そんな音を立て落ちる。
『な、た…狂人さん…だったの…ね…』
1｢うん、ごめんね。でも、君を愛していたことに変わりは無いんだよ。だから｣
赦して
その言葉は一生彼女には伝わらない。
彼女をそっと抱き寄せ、冷たくなった手を握る。
狩人が逃げ出し開けられた扉もそのままに。
僕は、一晩中、水滴を彼女に落とし続けた。
終わりが次の日に迫った僕の命なんて気にせずに。
ぽたり、ぽたり落としていく。
6月1日【コ口す】
ラッキーカラー
あずきいろ
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汀(プロフ) - 沙夜さん» ありがとうございます！！自分にも無理は無いよう頑張っていきたいと思いますので応援宜しくお願いします！頑張ります！！ (2018年7月17日 6時) (
レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - 長い間更新お疲れ様でした！完結おめでとうございます(^○^)新作も読ませて頂きました。頑張って下さい！ (2018年7月17日 6時) (レス) id: f4fb874013 (このIDを非表示/違反報告)
汀(プロフ) - すぷらさん» ありがとうございます！今後も無理のないように頑張りたいと思います！良ければこれからも応援よろしくお願いします！ (2018年7月13日 20時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - 完結おめでとうございます！もう貴方様の作品が生き甲斐になっておりました…次回作も楽しみにしていますが、あまり、無理の無いよう頑張って下さい！ (2018年7月13日 20時) (レス) id: e340ba7d83 (このIDを非表示/違反報告)
汀(プロフ) - すぷらさん» ご心配おかけしてすみませんでした、もうかなり良くなりました！ありがとうございます！！どうかすぷら様もお風邪をお召しになりませんようお気を付け下さいね！ (2018年6月29日 23時) (レス) id: b7a2a1a016 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汀 | 作成日時：2018年5月12日 1時
